第28話 体育祭⑦、心配したのに損した気分だ
パァン!
聞き慣れてしまった音が鳴った瞬間スタートした。七間さんは六人いる中で三位。つまり一年と同じ二年を抜いたことを示している。
さすが三年といったところだが、現在一位の運動クラスが居るため絶対に勝たなくてはならない。以前まだ第一走者のため大きくリードされているわけではない。
そんなことを心の中で思う。
「まだ差が大きくありませんね」
そう実況が入って熱狂していることが分かる。でも俺にとっては受け入れられない。
だって共感をして感動してるからこうなっている。それなら俺の計画に誰かに知られたりしたら共感してくれるか?そんなことはない。
だから俺の計画に協力者はないように覚えている。それはその時の状況だ。だから利用しているだけだ。
「ここでバトンパス!おーっとミスをしてしまった!」
え?!
驚いて見るが他のところがミスをしただけだ。ほっとした。
俺らのバトンは蒼井に渡り、走っていく。どうやら蒼井は本番には120%出せるみたいだ。蒼井は二位の三年のクラスを抜かそうとするが相手の必死に頑張り横並びで走っていく。
そしてそのままの状況で御珠にバトンパスをする、ミスはせずにスムーズにいくがトップである運動クラスの女子がとても早く走っているので差が開いていく。
だが御珠は二位になる。このまま開いていけば二位となり総合優勝を逃してしまう。
そして戻ってくる。
アンカーは二周走るので逆転はある。
そしてバトンパスをする。
「おーーっと、ここで二位がバトンミスをしてしまった!これで優勝は確定か!?」
渡すのをミスして落としてしまう。
俺はすぐ拾い始めて走る。
「板見君、このままだと負けてしまう」
「大丈夫ですよ、七間さん、涯が本気で走るので目に焼き付けておきましょう」
なんか、話しているが仰せのままに本気で走ってやるよ!
俺は一周目の残り四分の三ぐらいで本気で走る。
風により周りの声、音なんて聞こえないがただ勝ちを目指して走るただそれだけ。
そして二周目に入ったところで抜かすが手は抜かずに走る。俺はゴールしか見ていない。それでいい!
そうしてゴールをする。そして列に戻る。
「お疲れ様涯」
「ナイスです、頂利君」
「‥‥‥」
御珠はなにか話せや。
「おお」
そう返事をして、集計をするまで移動となった。
「速かったよ涯」
「だろうな、本気だったからな」
そして‥‥ついに‥‥集計が終わると同時に放送が鳴る。
『どうも、蒼のハンティングだ、もうそろそろしたらなにか起きるかもよ、そしてそれを利用する輩が現れるかもよ?』
機械音で聞こえたためなにを言っているのかは分かったが誰かは分からなかった。
みんな突然のことで混乱していた。
そして混乱が収まると、総合順位が発表されて、
「よしよし」
「MVPは涯だな、そして優勝おめでとう!」
「ああ、そうだな!!」
そうして体育祭は幕を閉じた。
あれから数日が経ち、教室にて‥‥
「涯って誰かに告白でもしたことある?」
自習(担任がどっかいったので勝手)になっておりそして蒼井からそんなことを聞かれた所存である。
「なにか変な物でも食ったか?」
「なんで?!」
「例えば‥‥「待って、普通に気になっただけ」
ふーん、珍しく蒼井が恋愛ごとを聞いてきたから心配したのに損した気分だ。
「小6の頃に一回だけな、だけどもう気にしてないから、蒼井は一度としてないな」
「そうなんだ、あと自分がなぜないと分かった?!」
「その反応だと本当なんだな」
「カマかけられたのか」
落ち込んでいる蒼井にそして反応している一人が居ることに気づいた。
こっちも反応したかいいぞ。そして放課後に残ると言っておけば話してくるはずだ。
「そうそう、俺今日は残らないといけないから」
「そうなんだ」
そうして担任は帰ってきて蒼井がつれていかれた。またなんかしたんだな。
さてこれでやっと盛り上がりのところに来れる。ククク。
俺は口元を抑えてニヤける。
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空布『頂利から蒼井を離す方法を試すわ、それでも離せなかったら味方に引きずり込むわ』
紫霧『了解』
曖灯『分かりました』
水薦『もし離せても蒼のハンティングがなにかしてきたら頂利は違う、そういうことよね?』
薫『そうなるな』
霜端『分かりましたが、あれ?彩貌さん?」
水薦『今日は来ていないわ、もしかして蒼のハンティングはもうなにかを仕掛けていた!?』
曖灯『彩貌さんは家の事情として来ていないのでまだ蒼のハンティングはないもしていませんよ』
霜端『分かりました』
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