第25話 体育祭④

「頑張ったね霜端」

「頑張ったな」

「ありがとう蒼兄ぃと頂利さん」


他のメンバーが来る前に三人でバスケで霜端が頑張ったことを褒めている。霜端は俺を呼ぶ時の名前が安定してなくてそれが少し悲しく感じてしまうだろうな。

しっかしサッカーの決勝戦に一点しか入らなくて残念だ、やる気でやればよかったな。

そう無駄なことを考えていると後方から、


「あ、蒼井」


そう聞こえる。もう来やがったな。


「蒼井、俺は少し、では!」

「え?」

「あ、ちょっと!」


俺は走って逃げる、外の目立ちやすいところから移動しているため後ろから霜端と七間さんが追いかけてきて全く振り切れる様子がなさそうだ。

そうして校舎に入る。さすがに振り切れると判断したので屋上に向かうことにした。
















着くと予想通りいなかった。この場所は普段麗七人と蒼井の昼食の場所となっている。

そして網状のフェンスの隙間から見下ろして蒼井達の場所を確認した。霜端と七間さんまだ戻っていなく俺を探していることに気がついた。

でも気にする必要はない、七間さんとは何回か一緒に昼食をともにしているため問題ないのだが、霜端だ。なぜ?俺のことを探すんだ?これもわからない。

最近の霜端情緒不安定である、時にはテンションが高く、急に下がったりとなり、しかもそれは俺の前だけどあるのだ。なんでだ?

霜端のついては疑問しか出てこない。


ガチャ


不意に屋上の扉が開く。


「はぁはぁ、ここでしたか」

「やっと、追いついた」


なんと霜端と七間さんが来ていたのだ!


「はぁはぁ、明らかに動揺していますね、なんで分かったのか」


く、動揺が隠せていなかった、なんたる失態。でもなんで分かったんだ?


「あなたは去年の時の昼食はここで食べていたから、ここに居るかなっと思ったんですよ、あともうペコペコなんで食べましょう」

「頂利君食べよう」


「分かった」


三人は座り食べることにしたのだが‥‥


「あのー、なんで横向きで食べてるんですか?正面向いて食べましょうよ」

「少ししたくないわ」


正面向いて食べるなんて行為はある程度人間である俺にも生理現象はあるもので意識してしまっている。

今までも七間さんと食べた時もお互い正面は向いたことはない。いくら体操服でも七間さんと霜端のラインがでているんだよ、特に胸。これ以上これについてはなにも言わないでおこう。一言言えるのなら制服の方がいいです(色々な意味込)。

こういうことは蒼井が担当しているはずなんだがな。俺ではない。というか自分のことを人間かと怪しんでいるからやばいやつだな。


「燐さん」

「なに?板見さん」

「頂利さんは性別は男なので興奮しているのでは」

「そういえば今まで一度として向き合ったことはないね」

「やっぱしですか、私もです」

「おいこら、なんか俺が悪いみたいな回し方やめて」


聞こえているぞ。あと表で悪いことはしたことはない。


「悪くはないですけどね、もしかして興奮するから向き合ったことがないんですか?」

「条件を満たせば俺だって男子なので興奮しますよー」

「あ、開き直った」

「フフフ」

「「??」」


七間さんが笑う。俺と霜端は?となる。


「いえ、ついつい、お似合いだと思ってしまって、いわゆる痴話喧嘩をしているのだと」

「そ、そんなことないよ!!」


焦っている霜端、ん?なんで慌てているのだ?

あといらない感情を悟られずにいるため安心していた。もしバレたら計画に支障がきたすのだから絶対にバレてはいけない。


「そーでーす」


否定したところでツンデレのように捉えられてしまうので、感情がないようにして言い放つ方がいい。ほんと色恋沙汰には否定することはしてはいけない。


「え、もしかして頂利君は‥‥「そんなことないぞって七間さんも随分言ってくるな」


霜端は明らか落ち込んでいる。やっぱし不安定だ。うーんどうしてだ。


「えー、頂利君は鈍感ですね」

「違うぞ、むしろ敏感だ、常に誰と誰がとか恋愛事には聞いているぞ」

「あーソウデスカ」


あれ?なんか七間さんがなにかを悟った目をしていた。

話す時は食べるの止めているがその時以外は食べているので、俺はもう食べ終わった。


「板見さん、今は食べましょう」

「うん」


「俺もう行くからな」

「はい」


屋上から去ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「板見さんは頂利君が好きなのね」

「え、もしかして燐さんも?」


否定しないで聞いてくるあたりもう私が求めている答えは出ているんだね。


「うーん、わからない、でもいつかは分かると思う」


頂利君は私の秘密を知っているから監視したいと思っているから分からない。


「もう私もいくから」

「はい、分かりました」


私も屋上を去ることにした。













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