第21話 蒼井は復活する

俺は仮面を取る。


「なんで死んでないだ?」


驚く男。こいつで間違えないな。

そして俺が蒼のハンティングだと気づいていないみたいだ。


「なんでブルー狩りなんて名乗ったんだ?」


問うことにする。ここの返答次第で変わってくる。


「さっきの女子とその女友達が蒼のハンティングについて調べているから、それを変えてみただけだ」


良かった、ちゃんと答えてくれた。ここまではよし。


「答えたから俺からも、なんで死んでない?死んでいたら牽制になったはずなのに?」


蒼井への牽制のために人を殺そうとしたのか?イラつきを覚えるわ。けれども隠せ。今ではない。


「運よく死ななかっただけ」


そんな嘘を答える。


「そうか。ではここで殺せばいいだけだ」


そうして男は俺を襲うのだった。暗くなった道で。



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「お、蒼井おはよう」

「おはよう、涯、復活してきたよ」


話しつつかばんを片付ける。


「おめおめ」


「で、頭は大丈夫?」

「治ってるよ」


「涯は知ってる?」


話題が変わった。そのころには席に座り、後ろを向いている。


「なにが?」


なんのことか分からない。TVを見てないし、昨日は面倒だったからインターネットで調べたりもしていない。


「今朝のニュースで公園のトイレで男の死体があったと、しかもここの街で起きているだ」


「怖いな」


少し怯えた声を出す。

もちろん、演技。全く怖くない。

牽制するがてら人を殺そうとした人を逆に殺っても問題ないはずだ。


「詳しい情報もあってトイレ以外のところで殺されているらしい」

「なるほど」


さすがにバレるか。でも犯人はわからないだろうな、高校生が犯人だとは思わないだろう。人殺しが普通の高校生だなんて誰も思わないだろう。


「話し変わるけど、あとで休んでいたところのノート見せてくれない?」

「お安い御用さ」


そうして蒼井こと主人公が戻ってきた。休んでいる間にもヒロインは行動をしているし蒼井への思いの変わってない。もちろん友人キャラも行動している。

そしてここは現実だ。都合が良いようなこともないし、理不尽のことの方が多い。でもその中で生きて幸せを求めている。それがどんな形であってどんなに工程が醜くても求める。

麗七人なんて所詮は蒼井のことが好きなのにお互いを意識して気遣って攻めないからただ美少女が集まり蒼井が好きな人。そうしかない。でも俺はその均衡破る。戦いがあって膠着こうちゃく状態になっていてどう終わるんだ?簡単だ他の人が奇襲をしたらいいだけだ。漁夫の利とか言われるだろうがそれでいい。むしろ好機と捉えて方がいい。

俺は奇襲をかけてこの均衡を破るだけ、簡単だが難しい。バレてしまうのを避けることは難しい。やるだけ簡単隠すのは難しい。そんなことに時間をかけている。最初からバレては面白みがない。

俺はニヤついてしまう。


「涯、ニヤついてどうしたの?」


「ああ、なんでもない」


すぐにニヤつくのをやめる。おっといけなかったな人前でニヤつくのは。


キーンコーンカーンコーン


「おーい座れ」


主担任が入ってきてそう言う。

しかし今日はまだ麗七人の誰一人として蒼井と話してないな。見渡しても御珠はスマホをいじっているし。


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空布『なにか分かった?』

彩貌『昨日男に絡まれて蒼のハンティングが来たと言ったじゃないですか』

霜端『続きがあると?』

彩貌『そうです、実は今朝ニュースで報道されていた死体が‥‥』

水薦『昨日の男だったと?』

彩貌『そうです』

紫霧『不思議ですね、なんで蒼のハンティングは彩貌さんではなく男なんでしょか          

ね?理由があったとしか思えません』


曖灯『なんらか理由があったということですね』

薫『考察とかあとにしろ、チャイム鳴っているぞ』












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