第20話 居酒屋の後
ガランガラン
「いらっしゃいませ、あ、峰鈴さん」
もちろん包帯は取っているので違和感を覚えられずに接客をしているが、時々頭痛をしていることは隠している。血が足りてないだけだしなにも問題はないだろう。後頭部から出血なんてすぐに治るけど血は取らないといけないな。
そして席に案内する。
「頂利君はここで働いている時だけ生き生きとしているわ、でフェイク動画を流したかしら?」
疑われているのか?でも計画の一部として組み込んでいるから言えないから嘘を本当のように、
「御珠にも聞かれたが違う」
きっぱり否定する。これでいい。
「わかったわ、サイダー一つ」
「了解」
俺はサイダーが入った瓶を持って渡すときに、
「すまんありがとう」
「え?」
「あまり気にするな」
この計画の被害者になってくれてありがとう、そしてさすがに罪悪感から生まれてすまん。それだけがヒントであり言ってしまった。
というかあまりってなんだよ?自分よ。慌てた時にあまりとか不確かなことを付け加える癖があるのを改善しないと。俺への課題だな、きっとバレたらこの計画のことがバレてしまうかもしれないな。
「頭大丈夫?」
「へ?」
どういうことだ?俺の思考への侮辱か怪我のことか?後者のことだと思うな普通なら。今回なら普通が適応されるから俺が発しないといけない言葉は、
「ああ、大丈夫だ、そして蒼井から聞いたのか?」
これでいい。考えてことを気づかれずにそしてあ、そうだったみたいな感じの時間を空けたので自然であるであろう。
「ええ」
「怪我をした最初の方は包帯をしていたがもう取っていいほど大丈夫になっている」
「そうなのね」
ガランガラン
「ではな」
俺は接客をしていく。
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会計を済まし、少し寒い外に出る。息を吐くが白くはなっていない。
これでわかった、頂利君は人外である。異常と言えるほどに治るのが速いし、後頭部から出血なんて死ぬかもしくは気絶するはずなのに頂利君はまるでなにも無かったように振る舞っている。
頂利君=蒼のハンティングというわけではない。疑ってはみたが真剣に答えているとしか見えないかった。
気になるとところがある、それは『すまんありがとう』。これについてはなにか起こり迷惑がかかるからなのか、またはなにかを隠していて騙されてくれてありがとうかもしれない。
早く家に着いてから報告をしておこう。ホウレンソウだ。
「ちょっといいか?嬢ちゃん?」
柄が悪い人に出会う。こんな夜遅くに出ているから会ってしまった。
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「ではまた明日」
「はい」
俺はまかないを食べて帰る。それにしてもブルー狩りは誰なんだ?そしてそんな名前にした理由もだ。
誰かは思い当たりはあるが確定ではないから言わないが、名前がブルー狩りの理由は、蒼のハンティングを知っている人が該当する。そもそも蒼のハンティングの名前は俺が侵入した人のみしか知らないのだから俺が侵入したことがある人に探せば済むことなんだがもし万が一蒼のハンティングが侵入していない人に知られていたらお手上げだ。
あとなにか鈍器で叩かれていたがあれは多分重くて少し尖っている物だ。そして思いっきり叩かれている。普通の人なら死んでいたよ、俺で良かったな。もし蒼井がなら死んでいたな。
雇ったという可能性は捨ててはいけないな。
あれ?誰かが絡まれているな。霜端とかも可愛いから絡まれているな。
帰ろうと道を歩いていくごとに絡まれている人が誰か気づいた。
ってあれ、峰鈴さんじゃん。助けないと。でもここで俺が強いことはバレたくはないから、うーん、霜端には黙っておいてっと言っているからいいけど、あ、あれあるじゃんか。
俺はバイト用に持っていっているかばんの中から狐のお面を取り出しつける。
これでよし。
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「ほら来いよ」
「嫌」
抵抗をしていると、
「グハ」
男は吹き飛ぶ。
「え?」
男を吹き飛ばしたであろう人物が立っていた。この狐のお面はどこかで見たことがあるな。そうだ!蒼のハンティングについて調べた時にもし蒼のハンティングは外で活動する時は狐のお面をつける。と書いてあったな。でもなんで男を吹き飛ばしたんだ?
蒼のハンティングはジェスチャーを使い、帰れとアピールしてくる。私は頷いて走りだして帰ることにした。
これも報告しないと。
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