第16話 板見家の家にてご挨拶

「話しを聞かせてください」


暁に言われる。この場に居るのはまず板見家の家なので霜端、暁、七間さん、

そして三年の東条とうじょうさん、これまた同じく三年のやなぎさん。

残りの二人には蒼井の看病をしているため来ていない。蒼井がどれほど過保護にされているか分かるしそして蒼井はまだ帰ってきていない。病院にでも行かされてされているのか?


「早く!!」


少し考えていると言われてしまう。全く歳を取ればいつかハゲるぞ.


「まず人為的なことにより蒼井は怪我をした、犯人は知っている以上!!」


俺は深刻そうなリビングから立ち上がり、逃げようとする。

逃げるしかないない、こんな深刻そうなところは好きだが今はいらない。少しでも明るくしておきたい。


「で、犯人とは?」


暁が代表して聞いてくる。あーこれ怒っているな周りの人らもそうだと思わせる雰囲気を出しているな。蒼井のこと好きすぎるだろ、いや普通だな。

座り直して、


「犯人は宮下という男だ、クラスの男子の弱味を握りそれを使い蒼井に怪我をさした」


「「「宮下宮下宮下宮下‥‥」」」


呪言のように唱える三人、残りの霜端と七間さんは無心の心のように眺めている。


「というのがカバーストーリー」


よしばらそう。複数人相手でも勝てる。


「え?」

「怒りますよ?」

「は?」


もう怒っているよね?作り笑いをしており目は全く笑っていない。こんなはっきりにそう思わせることができるんだ、感心だな。


「クラスの男子から口止めされていたからな、本当は俺以外のクラスの男子だ、しかも中々団結力が高く、担任が見ていな隙や見えないところでファール行為とも取れることをしていた」


「なるほど、であなた?」


あー、なんで止めなかったの?みたいなやつだな。


「俺一人では無理」


複数人はキツイと思うのが普通だろう。そう俺が普通の人としての対象として入っているはずなのに複数人相手らくらくだ。


「分かりました、もしかしてなにか考えていますか?」


おっと、顔に出ていたか。うんまぁそうだけど、言ってしまうか、


「実はこれから蒼井が怪我をしない方法を思いついたが絶対とは言い切れない」


「一度言ってください」


俺が言う言葉の一言一句聞き取らないように集中していることが分かる。どれだけで蒼井のことをどう思っているか分かることがある。


「では、まず蒼井に怪我をさせた理由は嫉妬だ、つまり嫉妬さえなくせばいいがなくすことは難しい、だから簡単だ女子が蒼井のことを監視したらいい」


「なんで女子が蒼井の監視を?」


「クラスの男子は女子からの評価を気にしているから女子の前ではしないんだ、それをすれば体育祭の時も防げる」


「なるほど、一つの策として考えておきます」


これで帰れるな。立ち上がると、


「あの時はありがとうございました」


霜端からお礼の言葉が聞こえる。昨日では答えてくれなかったが答えてくれたので嬉しいな。


「気にするな、昨日の晩御飯で借りは返済しているから」


「昨日の晩御飯‥‥」


みるみる耳まで赤くなる霜端。あ、昨日のあの発言を思い出したのだろう。


「んじゃ、また明日」


俺はそう言い残すとリビングから逃げるように帰った。




「はぁはぁ」


呼吸を意識して行っている。

心臓はバクバクと自分の体の中で悲鳴を立てている。走ったからだろうか?いやもっと違うことのような気がするがそんなことは無駄だ。俺の計画には霜端がもとにできているから本人が気づいたらこの楽しくなるであろう計画を残念ながら止めることができる。

自分以外の人の感情は分からない。表情として出ていると分かるがなれ以外なら分かろうとはしない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る