第15話 男子にはご退場を願うキーは揃った。

フーンフーン


移動教室が終わり気分よく廊下を歩いている。いやー、蒼井がいないと言うことは俺に話しかけてくる雌共はいないから気分が晴れ晴れとしている。


「ちょっと、話がある」


「ん?どうした?」


えーと、この人は同じクラスでなんて名前だったけ?思い出せ。この顔は、あ、そうそう。宮下だったはず。


「とりあいず付いてきてくれ」


「早めに終わる?」


「お前の回答次第だ」


授業が遅れるのだけは許せない。内申の点数を落とさないため。

まー、でも付いていくか。絶対あれだと思うが。

というか俺ではない。ここで時間を使うのは面倒だからな。







「今日有ったことは覚えていない、いいな?」


やっぱしクラスの男子達が居た。で四条はこの男子の群れに隠れてやがる。

その中で一般的に見た目が怖そうな人が言ってくる。

うーん、怖めに言ってますよ感があるな。全く怖くないが。小型犬がいくら吠えようが怖くないのと一緒だ。返事は適当でいこう、だってお前ら男子はここから以降登場することをなくしてやる。計画の糧になるのだから別にどうだっていいのに。


「分かった、つまり蒼井をやったのは宮下から脅迫されたからなんだな」


「うん、それでいい」


「え?」


よし上手いこといった。こいつら自分の女子への評価が落ちないから宮下を裏切りながった。面白いな、俺が女子への評価をどうにかできる状況なのだから俺に武力行使はやめてやがる。ククク、にやけてくる。


「では。それだけだな」


早歩きでクラスに戻る。


「待ってくr‥ん!」


後ろから声が聞こえたが振り向くことはない。

あー、これ他の男子に口を抑えられてやつですね。変に俺に『違うぞ』なんて言えば最後、他の男子も巻き込むつもりだと、と俺からの意味が分かった男子は止めているから俺はただここではなにもなかったと思えばいい、そして宮下だけの責任にはさせないから安心しな。

男子にはご退場を願うためのキーは揃った。

てか次地理か、ガンバルンバ。ほんと俺は何年前のネタを使っているんだが。


   






俺は知っている、そう眠い!!しくじった午前四時に寝るのではなかったな、後悔なり。教科書でウトウトとしている自分の顔をうまく隠しているとは言えこれで気を抜いたら最後担任にバレてしまう。

ぐ、どうしよう。いっそのこと寝てしまうことにするか?でも内申が減らされるからだめだ。

この授業板書するだけだからなんか質問とかないから余計に眠たくなる。

意地でも耐えろ。そうだ!なにか違うことを頭の中で思えばいいんだ。つまり妄想だぁぁぁあ!なにを思おうかな?そうだ最近始めたゲームにしよう。アドベンチャーのジャンルに入りギャルゲーの抜けたシーンが加えられているゲームだ。

みんなはよくギャルゲーについて勘違いして居る人が多く世の中に蔓延はびこっている。そもそもギャルゲーとは全年齢対象であるし、世論などはそれはだめだとしているが俺は一度として性的興奮したことはないし、ストーリーが個人的に好きであるものもある。一度としてやったことがない人達に言われる筋合いはない!

お、目が覚めたな。いいぞ妄想は眠たい時に。


「あの?」


珍しく隣の七間さんが聞いてくる。あれ?もう担任は板書を書き終わり、妄想?をしながら俺も板書は書き写して立たなければ喋ってもオッケになった。


「なに?」


「そういえば今日の放課後私も行きたいんですけど?」


なるほど、七間さんも蒼井の悪魔とも言える魔の力により落ちたのだな仕方ない。


「オーケーだ」


「なんか勘違いされているような気もしますが、ありがとうございます」


なにに勘違いをしているんだ?全く。というか忙しくないの?


「あれ?仕事は?」


「大丈夫ですよ、あと知っていたんですね?」


「いやいや、あ、いっそのこと俺も言われたら困ることを言ってしまえばいいのか?」


「どいうことですか?」


「俺は実はバイトしてるんだが林奈々とマネージャーが来ていたんだよ、絶対俺があそこでバイトしていることは言ってはいけないからね」


「分かりました、あの居酒屋さんですね、あと働いている時の方が生き生きとしていますからなんとなく頂利君だと思っていましたが本当だったなんて」


「それを言えば七間さんも普段と全く違うじゃないか」


「そうですね」


お互いは顔を見合わして、


「ハハハ」

「フフフ」


笑う。これでお互いは弱点を持っていることなり平等だ。








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