第14話 怪我=犠牲=ショック


「ん、では今日はサッカーをします。試合ですので出席番号順で半々にしてください」


体育の時間となり、当たり前のように蒼井と同じチームとなる。 ビブスを着る。

味方の男子は先生と蒼井の方を交互に見ている。あー殺るつもりだな。


ピィーー


試合が始まった。ボールは敵からので、ディフェンスをする。俺と蒼井がなぜかFWである。体育祭に向けた体育ではないため女子は体育館でバスケをしている。


さぁ、敵はボールを蹴りながらわざと蒼井に強く当たっていく。この男子達のすごいところは先生が見ていない時または見えない位置で蒼井にファール行為をしている。

それでいい。そのまま蒼井が保健室にさえ行けば楽に計画が進む。


「グッ」


強く当たられているため思わず声が出てしまっている。もっとやってしまえ。

なんとか蒼井はボールの奪取に成功する。


「涯」


近くに居た俺にパスをしてくる。俺としては先に点を入れておきたいので攻めることにした。


「ふ」

「くそ」


俺は敵を次々抜いていく。キーパーと対峙する。フェイントを入れるとキーパーは反応してすきができる。そしてシュートを決めて入る。


「1対0」


先生が言う。味方の男子の一人が近づいてくる。はー、なに言われるか分かっているけどさだるい。


「なんで入れた?」


「勝つため、蒼井にファール行為するのは知らんがボールが回れば俺は決めに行く、去年の体育祭の時のように交渉をしていないから」


「そうだな」


戻っていった。俺は蒼井のためではなく負けるのが嫌なのだ。価値ある負けならいいがくだらない醜い争いなら知らない。

そうして再開する。


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「保健室行くぞ、肩貸してやる」


「助かる」


怪我をした蒼井を保健室につれていくことになる。試合には俺が五点決めて5対0で勝ったが蒼井はファール行為をされて怪我をした。つまり犠牲になったんだ。

ここで俺は笑いたいが抑えよう。俺がもし蒼井と同じ立場なら仕返ししてるわ。

というか蒼井ってこんなに軽いんだ。


「いやー、災難だったな」


「そうだよ全く」


「蒼井って軽いんだ」


「そうかな五〇ぐらいだよ」


いや、軽いよ。俺は入院生活していた時は栄養がある食事はもちろん、頑張って動こうとしていたからそこまで軽くはない。あと今頃なんだが病院食は味が薄すぎる。退院して初めて店に行って食べたら味が濃くて覚えているわ。


「よし、早く着きたいな?」


「そ、そうだが?」


「では、ほい」


「え?」


俺の脇のところに蒼井を挟み、走る。


「ああああああぁぁああ!!降ろして!!」


無視だ無視。早く着くためだ仕方ないことだ。


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「ふぅ、着いた」


先生はいないから俺がなんとかしようかな。すると保健室のドアが開く。


「蒼井!!大丈夫?」


「大丈夫、サッカーやっていたらこうなっただけ」


普通はなりませんよ。というか御珠が来たのか、つまり、これ麗七人が来るやつか。


「あとは任せる」


「分かったわ」


俺はクラスに戻ることにした。廊下を通るがまだ授業中のため麗七人全員は来ていないが休み時間になれば来るだろう。口元を抑えて声を出すことはしないが笑う。うまくいけ、今までに面白くて楽しい体験は最近計画を立ててからだな。

計画は順調にしかもより良くなっている。


そうして次の授業を受けているが後ろに居た人はまだ戻ってきていない。

そんぐらいの怪我をしているかもしくは麗七人が粘っているのかどちらかだな。


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「頂利先輩」


この声はあいつか。


「なんだ?あかつき紫霧しむカード」


「今はボケないでください」


暁紫霧は霜端と同じクラスで普段は明るいのが印象的だがどうやら蒼井のことでショックを受けているみたいだ。で霜端も一緒に来ている。


「で、なんだ?」


さっさと次の授業の準備をしたいから本題を聞くことにする。


「蒼井先輩のところに行ったら、‥‥」


急に無言になる暁、時間がかかるから困るんだけど。


「えっと、蒼兄ぃの怪我は人為的にやったとしか説明できない怪我なんですよ、だから放課後家に来てください」


霜端が代わりに言ってくれたか。つまり疑っているもしくは知っているかもしれないと言うことで事情聴取を俺にすると言うことだな。もちろんOKである。


「分かった」


そう返事をすると暁と霜端は帰って行った。さて移動移動と。

俺は移動教室のために教室から持ち物を手に出ていくが男子が俺のことを見ていたことには気づいていた。
















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