第13話 鈍感と恋愛と興奮

「おーい、霜端」


「は!」


全く霜端は涯の前だけそうなって。兄としては知っている人を好きになってくれたのはいいけど涯の前だけそうしているから涯は気づかずに霜端のことを少し苦手のようにしているし。でも無自覚にあんなことを言うし、涯は本当に霜端のことをどう思っているのだろう?



「霜端は素直になったら?」


「いつもどおり素直だよ」


あー、これだめなやつだわ。完全に霜端が乙女の顔になっているわ。なに言って聞かないやつだな。僕でも涯の魅力を知っているのにモテモテではない。なんでだろうか?


「あとで片付けるから」


「ああ」


霜端は二階にある自部屋に戻ったであろう。さて風呂でも洗うか。

涯がモテない理由がないのに本当に原因はなんだろう?


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「うーー!」


私はベットの上に寝転び、ぬいぐるみに抱きつき唸る。

涯に嫁にしたいと言われた!!これはもはや告白だ。そうなりかけたのに蒼兄ぃが無駄なことを言ってしまう。許せないが涯は私の御飯に美味しいと言ってくれたのだ。嬉しすぎてその時私は顔が真っ赤になっていただろうな。頭から湯気がでそうなぐらい嬉しかったし恥ずかしかった。

ゲームの時に時々涯の横顔を見ていた。なんでモテないんだろう。蒼兄ぃせいだがそれでいい涯の魅力を知っているのは女子では私一人でいい。蒼兄ぃは鈍感だ涯がモテていない理由は蒼兄ぃのせいであるから。

涯のことを好きになったのは去年の、正確に言えば今年の私の受験の時だ。蒼兄ぃよりも教えに来てくれて心強かったし、涯は特定の人以外には別け隔てなく接するそれが涯のいいことろでもある。

この気持ちは恋だ、私は涯に恋している間違えない。恋愛感情だ。

さてだんだん落ち着いてきたから片付けますか。


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霜端のご飯美味しかったな。

玄関に着き、かばんを自室に持っていきベットの上に置くと机の引き出しから一冊のノートを取り出す、そして開けて手で口元を抑える。


「このノートに記した通りに行けば面白くなるな、アハハハッハハハッハ!」


笑いが何故か止まらない。記しているのは体育祭のあとに俺がやるべき行動だ。今からでも楽しくなってきたぞ、興奮が止まらないなハハハッハッハ。

さて明日も体育がある。多分サッカーだ。あのクズ《クラス男子》達はどうするのか大体分かっているがそのことを利用しようか。これがうまいこと行けば計画は絶対成功する。


「失敗はしない、行わなければ面白くはならない」


俺は操り人形ではない。人間だから法律ルールに反しなければ自由にしていいだろう。ルールこそ人間を操り人形のようにしているかもしれないな。

さて風呂にでも入ってこよう。




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