第10話 今は。

「あの、七間さん」


「なんでしょう?」


やっと来た。七間さんが更衣室から出てくるのを待っていた。これだけではやばいやつになってしまうので、要件を伝えるために、七間さんに近づき、七間さんだけに聞こえる小声で言う。


「もしかして七間さんは林奈々なの?」


「え‥‥どうしてそれ‥を?」


やっぱしか、思った通りだ。同様しずぎだろwww。もうちょっと気をつけて方がいいよ。そんなことを思いつつ、


「黙っておくから」


俺はそう言い離れる。これで安心した方がいいよ、今は。さすがに分かりやすいが、問題はないか、むしろ面白くできそうだな。ずっととは言ってないし、七間さんの弱味を握ることを示唆している。困った時があれば弱味は使える。

今さらなんだが俺はなかなかやばいやつだな。笑えそうだな。


「あ、頂利」


知っている声が聞こえる、最悪だな面白くできそうな言葉を言おうとしたのに。

蒼井のことだろうな、どうせ。


「どうも、峰鈴ほうりんさん、蒼井はまだ出てきてませんよ」


「ありがとう」


やはりか、いつものことだからな。

峰鈴ほうりん彩貌さいぼう、麗七人の一人であり、峰鈴財閥の息女。特徴的な髪留めをつけている。一年前に俺が手伝い麗七人の一人となった、あの時は俺が麗七人という存在を頑張って広めたから覚えているわ。

さて、このあと昼休みだし弁当を取りに戻るかって、今授業中だろ!峰鈴さん?!俺らは体育で少し早く終わったからいいけど峰鈴さんのところは授業でしょ。

もちろん言わない、だってどうせ放棄して他の麗七人に蒼井を取られないように来たんだろう。この前は御珠などだったから。


「七間さんだっけ?」


峰鈴さん蒼井がでてこないのでは七間さんに話しかける。


「え‥え」


「そうなら、昼食一緒に食べない?」


あー、この前俺が誘っていたから今日誘うのね。別にかわないが七間さんが緊張しなか心配だ、いくら林奈々だとしても猫をかぶっているのだから緊張はするだろう。あと七間さんが申し訳ないなという顔をしている。


「邪魔でなければ」


七間さんは邪魔にはならないだろう。だってそこらへんの気遣いは猫をかぶってもいなくてもあまり不自然のならないだろうし、普通の人よりは判断できるだろう。


「分かった、蒼井が来るまで待っていて」


「はい」


七間さんも待つことが分かったので今日は俺一人でごはん。つまりボッチ弁当というわけだな。

さて弁当を取りに行かねば。

そうして俺は階段で食べることにした。




‥‥‥‥‥移動中‥‥‥‥‥。


そういえば、今日の放課後に蒼井のところに遊びに行くとなっていたな、でも詳細を聞いていなかったな。

咀嚼そしゃくをしているとそんなことを思う。教室に戻ってから聞いておこう。

食べ終わり、トイレの個室に行き、弁当を空いているスペースに置いてスマホをいじることにした。狂笑は毎日するとバレてしまうので頻繁にはやらないようにしている。そして狂笑をしない時はこうしてスマホ(ステルスハックしていた)から情報を探している。

さて、いい情報はないかな。俺はスマホをスクロールしていくと気になる情報があった。これは使えるな。そうだこれも体育祭後に使おう。俺の計画の第一弾は体育祭が終わってからだな。


お、もうそろそろでいい時間になるな。教室に戻るか。

戻ると読み通り蒼井、七間さん、御珠はいなかった。これは長引いているな。大体蒼井の発言により長くなる、ほら好きな人の前では自慢するやーつをしていることが長引く要因だ。

そうしてチャイムが鳴るギリギリに案の定戻ってきた。








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