第7話 居酒屋
「玄さん、すいませんギリギリに着いて」
「気にするな、普段から早く着いているからそう感じているだけだ、いいことだがな」
ガランガラン
あ、客が入ってきたな。
「いらっしゃいませ、お
「ええ」
「はいでは、自由席なので、どうぞごゆっくりしていってください」
この客以外この時間に居る客はいない、貸し切り状態だな。客はマスクとサングラスをしており露出が少ない服で怪しいが一瞬有名人かなと思ってしまったが芸能界に疎い俺は誰か分からない、あともう一人は俺がイメージしている女優さんのマネージャーの服装だった。
客はカウンターの席に座っている。
この店はよくある居酒屋の構造をしているが少し大人な感じに店内はなっている。
暗めの木材を使っていたりと、俺が初めてきた時居酒屋のように思えなかった。
「焼き鳥のモモ2つと皮も2つであとチューハイ一つとオレンジジュース一つ」
「はい、わかりました」
玄さんは手慣れた手付きで焼いて、俺は飲み物を注いでいく。
「奈々」
「なに?」
どこかで聞いたことがある声だな。響かないかないで高校生ぽい感じがする。
もしかして七間さんか?ありえないはずだ。七間さんの雰囲気とは全く違うのだから。
「一回目はこれだけでいいの?」
「もちろん、お腹にどれだけ入るか分からないから何回かに分けて頼む」
「ええ」
「どうぞ」
「ありがとう」
玄さんは俺が注いでおいた飲み物と焼鳥を渡す。
「「美味しい」」
怪しい人はマスクは口の中に入れる時だけ外している。マスクといえば何十年前に起きたとあるウイルスを報復とさせる。俺は生まれてないが授業で習った、あの時は医療崩壊や会社の倒産などが相次ぎ、さらに世界経済がストップしかけたりとウイルスの歴史として刻まれた。
「お気に召しましてなによりです」
「焼き鳥のムネ6つ、ねぎ間4つと白ごはん一杯、焼きそば二人前」
「え?」
マネージャーらしき人は驚く。野菜取れよ!そう思うだろうな。
「はい、わかりました」
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そうしてほとんど同じ量を五回ほど頼んでいた、ほとんどが怪しい人が食べていた、見た目は細くどこに入っているのか分からないほどに食べていた。
「ふぅー、食ったでは帰ろう」
「では会計を」
「はい」
玄さんはレジをいじる。この怪しい人についてわかったことがある、それはマネージャーみたいな人に普段から振り回していや、迷惑をかけていること。がわかった。
「では会計は一万400円になります」
「あ、ついつい美味しくてこんなに食べてしまった」
「あ、じゃない!焼き鳥一本120円統一なのに、他にこんなにも食べて、太りますよ!」
「大丈夫、私太らない体質だし、あとスタイル維持のトレーニングをしているから」
「そうですか」
マネージャーらしき人がお金を出している間に怪しい人は、
「ますたー、色紙ある?」
怪しい人は相変わらずマイペースだ。
「ありますよ、お持ちしましょう」
玄さんは色紙を取りに行った。数秒して色紙とペンを手に戻ってきた。あれ?俺は色紙なんて見かけてなかったぞ?どこかに隠していたのか?
「はい」
「ありがとう」
怪しい人はサインを書いていく。
「確かにお預かりしました」
「では奈々帰るわよ」
「できた、はい」
「はぁ」
マネージャーらしき人はため息をついて、怪しい人は玄さんにサインを書いたであろう色紙とペンを返した。玄さんはフリーズした。
「では、行こう」
「はい」
怪しい人はマネージャーらしき人より先に出ていった。マネージャーらしき人は諦めるような返事をして追いかけっていった。
店内から居なくなると俺はフリーズしている玄さんのところへ向かう。
「玄さんどうしたんですか?」
「これ林奈々のサインだ」
「え?」
「林奈々のサインだ!よっしゃ!」
喜んでいる玄さん、林奈々のすごさが分からない俺は落ち着くまで待つことにしたが案の定俺が帰る時まで落ち着いていなかった。
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