第5話 公園で絡まれる蒼井の妹

「起立」


「礼」


やっと終わったから帰ろうかな、でも明日の弁当の具を買いにいかないと。

俺は帰る足で家の近くのスーパーに買い物をすることにした。



るんるん、明日はなにしようかな〜。

俺はスーパーに来て上機嫌で具となりそうな材料を探していく。ここで使えるカードがたまっておりさらに今日は5%オフの日なので上機嫌になるのは分かるだろう。

ん?見たことあるな?

俺は店内をうろうろしていると蒼井とその妹霜端が来ていた。そういえば買い物に行くとか言っていたな。

俺は少し機嫌が落ち着いてしまう。肉を主菜にしようか。


俺はさっさと会計を済ましてなんとなく公園に行き、炭酸ジュースを買いベンチに座る。買い物袋を片手に足を組み、炭酸ジュースの蓋を開ける。


プッシュー


炭酸が抜ける音がするがそんなこと気にしなず飲んでいく。

俺の機嫌が落ち着いたのは蒼井を見たからだ、蒼井を見ると疲れる自分が居る。

俺は入院生活終了をした日の時に気づいたんだ、もし笑えないのならなんとかして感情を取り戻さないとと、だが蒼井に会って分かった俺は笑わない方がいい、だってそうしておかないと俺は俺ではなくなってしまう。しかし感情を取り戻して蒼井に会っても大丈夫な方法があった、それは狂笑つまり自分の中にある狂気をうまいこと操作して外に出すことだ。


「やめてください!」


「ちょっとだけでもいいから来てくれや」


どうやら霜端が不良Aに絡まれている、あれ?蒼井は?

仕方ない関係は少しあるから助けてあげますか。

俺は炭酸ジュースの蓋を締めて買い物袋に入れ、立ち上がり霜端の方へ一歩一歩進む。


「あ、板見」


俺は偶然会ったかのように挨拶をする。


「偶然ですね、頂利先輩」


霜端も気づいて乗ってくれる。そして不良Aを無視して俺の方に近づく。そうえば蒼井とは実妹か義妹かみんな知らなかったな、もちろん俺も知らん、ここで貸しをつくりあとで聞けばいいか。


「蒼井は?」


俺は不良Aに聞こえないほどの小声で聞く。


「用事があると急いで帰りました」


「そうか」


「去年のように蒼井と遊んでください」


「無理です、というか今蒼井が取り巻く環境が板見は分かっているはずだが?」


「ええ、もちろんですが今日のお礼も兼ねてですよ、あと霜端でいいですよ」


「律儀なやつめ、だが板見と呼ばせてもらおう」


「そうですか」


俺と霜端は小声での会話をしていった。

多分麗七人の内誰かから誘われていたんだろう。

兼ねてか、つまり蒼井はまた俺と遊びたがっているということかな?


「また明日」


「はい」


「待てやぁ!ふざけているんじゃねぇぞ!」


いい感じだったのに、あんたのせいで霜端が少し怯えているじゃないか。

不良Aは雰囲気を壊しやがった。


「では」


俺はなにごともなかったかのように手を振ると、霜端も足を動かしだした。

これでよし。


「で話はあるのか?」


俺は不良Aの方に振り返りながら言う。


「ああ、だがここでは無理だ、絶対連いてこい」


俺は片手に袋を持ち、不良Aの言う通り連いくと人気がない路地裏だった。


「おらぁぁぁあ!」


不良Aは急に殴ってくる。だが俺は簡単に掴み力を込め聞くことにした。


「誰からの指示であんなことをした?」


俺はいつでも殺せるぞと殺気をだして聞く。


「ああああああ!」


俺の少しの殺気で口から泡を立てて気絶した。貧弱者だな。

俺の予想では誰かから指示されて霜端に接触したと思っている、だってあの公園は人が多い、つまりナンパにしては大胆すぎる。

なぜ接触させたか、それは指示した人物が助けに行き、霜端を無理に恩を着せるため、霜端が目的かな、だが俺が居たことによりそんなことは実現しなかった。


俺はスマホを取り出して時間を確認すると、


「やべぇ」


あと二十分後までバイトに行かないと!俺は急いで帰りギリギリ間に合った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る