一章 第一段階
第1話 転校生が来る。
「転校生がこのクラスに二時間目に来る」
二年生での文化祭が終わり、体育祭までだいたい一ヶ月になったとある日。
そう一時間目で授業内容が終わり担当だった主担任が言う。
「どんな人かな?」
「男子かな?女子かな?」
立って移動してはいけないのでみんな席が近い者同士話し、がやがやしている。
俺も話すんだけどね。
「蒼井は転校生についてどう思う?」
俺は後ろの席の
「別に気にしてないよ」
「そ、そうか」
「はぁ」
すぐに返すのか、なにか考えろよ。もしかしたら八人目かもしれんぞ。
蒼井は俺がため息をするほど鈍感すぎるから露骨な好意すら気づかない。
最近は蒼井の周りにいつも居る女子七人がいて無自覚ハーレム状態だ。その女子七人は学校でも最上位の美少女ばかりなので
蒼井の男子友達は俺ぐらいしかおらず、このクラス、この学校の男子から羨ましがれているが羨ましいだったらいいのだが一部いや六割以上の男子から恨まれている。しかも一年からその才を発揮しているから一年での男子友達は俺だけ。
「蒼井は全く」
俺は蒼井の机の上に肘を置いて額を手で抑える。
「なにか困っているのか?」
心配そうに聞いてくる、お前のことで困ってんだよ早く誰かと付き合えよ、でもアポリモリーはだめだよお前なら100人ハーレム達成できそうだから絶対にするな。
そんなことは言えないので、
「蒼井が誰と付き合うのか困っている」
クラスの女子が聞き耳を立ててくるような音がする。
クラスの雰囲気が蒼井の方に集中するが蒼井は気づいておらず無神経のように、
「僕のことを好きな人はそもそもいないから」
誰も彼も蒼井は超鈍感だと分かっている。
周りの男子から怒りの感情が伝わってくる。この質問するんじゃなかった。
「そうですかー」
「棒読みで言わないであと涯から言い出したんだよね」
「そうだったな」
俺は誤魔化すように笑う。
キーンコーンカーンコーン
ベタなチャイムが校舎中に鳴り響く。
「起立」
「礼」
そうして休み時間になった。
俺は蒼井と一緒にいることをためらい廊下をブラブラと歩くことにした。
そういえばなんで席替えをしても俺は蒼井の前なんだ?最初の時からそうだったからな、もう普通だと捉えていた自分がいた。
席の関連では言えば俺の隣の席は空席だな。もしかしてあそこに転校生が座るのか?
そうして考えるだけ無駄なことをしていると見覚えがある人がいた。
俺に気づき向かって来る、俺はその場で止まり来るまで数秒待つ。
「あ、頂利君、蒼井は?」
「蒼井はクラスにいるよ」
「ありがと」
その人は蒼井のところに向かった。
今の人は麗七人の一人、
俺は再び足を動かすことにした。
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