復活すると友人でした〜もう知らない
隴前
序章
プロローグ
無双、それは並ぶものがないほど優れていること。
俺もせめて無双をなにかでしてみたかったな。
もういいか、もういいな。
グザァ
なにかが刺さる、いや刺した。
俺は気を失う。
「おきなさい、
「はい」
俺はすぐに返事をして目を開け起きる。
ここはファンタジーではなく病室。
いつもどおりか。
昨日の夜ことはなんだったのか。
今じゃなくても気にしないでおこう。俺の妄想としておこう。
「起きましたかではいきましょう」
俺は立つと、
「あれ?体が軽い」
俺は自然と呟いてしまう。
いつもなら立つだけで胸が苦しいのに。
「そうですか、なら早くいきましょう、待たしていますよ」
「はい」
俺は早歩きで向かっている看護師の後を追うことができた。
なんでだ?もしかして治ったのか?そんなことはない心臓病だから移植以外では治らないと知っているはずなのに。
けれど今ごろ良くなったって中学校を過ごしていないからみんなから出遅れているのだから無意味だ。
「遅れてすいません、
「いや全然気にしていないから」
「ありがとうございます」
そして
「では毎回聞くようであれだけど気になることはある?」
「はい、実は体が軽いんですよ!」
「なるほど」
南森医師は考え込む動作をする、昨日まで満足にも立っていれなかった患者がたった一晩でできているのだから考えるだろう。
「とりあいず検査していこう」
今考えても仕方ないので南森医師は心電図室に向かい、俺も心電図をするので上半身裸になり検査用ベットに仰向けになる。
「計っていくけど体が軽くなった心当たりはある?」
タコの吸盤のようなものを胸のところに八個つけ、手首と足首の四箇所になんだったけこれ?フードのところを干す時に止めるためあれに似たものに挟んでいる途中に聞いてくる。
「いえ、全く起きたら軽く感じました」
「そうか、ではいつもどおり静かにしておいてね」
そうしていつもどおり他の検査をしていった。
「よくなっているよ!!」
検査の結果心臓病はとてもよくなっており、退院することができる。
でも俺としてはここにいておきたい、出遅れているから。
そして帰る家なんてないし、親なんてものはない。
「そうだね、退院して貰うことにするけど知り合いに頼んで家を貸してもらえる頼んでみるから、あと高校に行ってもらいます、君は中学校に行ってないけど勉強は出遅れていないでしょ?だから大丈夫だ」
そう言われても暇だったから勉強していたし、そして三年の入院生活に別れを告げるのはこころがぽっかり空いた気がするから退院はしたくない。
「大丈夫、行ってらっしゃい」
そう言われたら、目から透明の液体が出るでしょ。
俺は上を向く。南森医師は笑顔をだった。その笑顔は俺への祝いだろうな。
俺はそうして退院して南森医師の知り合いが家を貸してくれることとなった。
「
「
病院近くの駅にて待ち合わせをしていた。
太陽とはここまで明るいとは、そんなつまらないことを思っていると握手をしてくれる。
「家を貸す代わりに俺が一人で営んでいる居酒屋でバイトしてくれないか?」
「もちろん」
俺はその時なにも考えずにすぐに返事をした。体は元気で今までの体を動かす辛さはない。そして貸してくれる家に車に乗り向かう。
「お願いがあるんだが」
「なんですか?」
二人しかいない車の中お願いをされる。
「高校に言って俺と同じ名前の人が居ると思うがそれは俺の息子、娘だ、その二人に会ったとしても俺が居酒屋を営んでいることは言わないでくれ」
つまり玄さんは息子、娘に仕事をなにしているか伝えていないからか。
もしかして、
「玄の息子さんか娘さんは俺と同い年ということですか?」
「ああ、息子と一緒だ」
俺が高校に行くと息子がいるから黙っておいてほしいということだな。
そうして質疑応答をしていった。
「一軒家ですか!!」
「ああ」
家の前に着いた、一人暮らしには十分すぎるほどの一軒家だ。
南森医師からは「少しだけお金持ちだからそこまで期待しない方がいいよ」と言われていたから驚いてしまう。
「はい、家の鍵、生活に必要な家具しか置いていていないからこれも」
スマホと封筒も渡される。中はお金のようだ。もちろんスマホの使い方は知っているよ。
「バイトは一週間後で時間はスマホに連絡するから」
「はい、そして本当にここで一人暮らしができるんですか?」
俺は心配になりすぎて聞いてしまう、一軒家に一人暮らしは広すぎるし勿体ないから。
「ああ、本当だ、もし分からないことや困ったことがあったら最初最初は教えてやるから電話してこいよい」
玄さんは車に乗り帰っていった。
最初はか、そうだな。
さて切り替えて家の中に入るか。
ガチャ
家の扉を開け入る、新しく買ったのかと言えるぐらいの清潔感。
俺は家の中を確認していく。
「ふぅ」
あれ?学校のことは?
俺はふとスマホを起動してメールを見る。南森医師からきてる。
『明日の八時までに学校に行ってもらいます、テストは軽いのがあるから心して、筆記用具はこっちで準備してくるから、学校は
明日は休日で受験はもう終わったばかりなので俺も同じ時間の高校生活を送れるな。
嬉しいな。それより買い物でも行こうかな。
そうして唐突に俺の高校生活が始まった。
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