第23話「ゲイルはいまーーーーーす!(追放サイド)」
その頃…………。
王都にて一枚の張り紙を食い入るように眺めるカッシュ達。
「いーひっひっひ! 見ろよ見ろよ!」
「こ、これは! や、やっぱりね!」
カッシュとメリッサが嫌らしく笑う。
そして、
「うけけけ! これは……どうやら僕らにも運が向いてきたようですね!」
「俺っちはこうなると思ってたぜ、ざまぁみろだぜ」
ゲヘヘヘヘと下品に笑うノーリスとルーク。
4人の手には
どこか見覚えのある似顔絵には、デッカク生死不明で捜索中の覚書。
※ 特徴 ※
ダサい恰好
センスのない呪具を売っている露天商
とっぽい青年
冒険者を兼務している可能性あり
身長、見た目の特徴───etc
「ぎゃははははははは! センスのない呪具って! そんな一人しかいね~よぉ!」
「うふふふ! ほんとに露店商してたのね、アイツ!!」
「くっくっく! その似顔絵!! あははははは!」
「ど、ドンピシャだぜ! こんな特徴アイツっきゃないねぇ!」
似顔絵も、身体的特徴も覚書に書かれた特徴のそのすべてが一致!
そう───……。
カッシュ達が眺めているそこによれば……・。
「「「「ゲイルのやつ、お尋ね者になってやがるぅぅう!」」」」
ぎゃーーーーっはっはっはっはっは!!
朝のシャキッとした空気のなかに、締まりのない4人組の笑い声が響く。
「やっ~~~ぱり、何かやらかすと思ってたぜ!」
「ほーんと! 絶対やらかしてるわね!」
ニヤニヤと笑うカッシュ達。
「これは、運が向いてきましたね。ゲイル一人を王国府に突き出せば報奨金! しかも、生死不明───!!」
「ぎひひひひ。何やったか知らんが、王国に目を付けられるとはなー。追い出して正解だったぜ!」
うんうん。
「違いない」と感慨深げに頷くカッシュ達。
「ひひひ! しかも、情報だけでも褒賞付きか!! こりゃついてるぜ! まさか金一封ってことはないよな?!」
「それよりも。も、もし捕まえたり、……あるいは首をもっていけば────」
ゴクリ。
「た、大金?!」
「しかも、王家の覚えがめでたくなるんじゃない?!」
ドキドキ……。
「い、行くぞ!!」
「え、えぇ! 善は急げよ!」
「王国府はまだ開いてませんが、構うもんですか! 僕は門番を叩き起こしてでも情報を持っていきますよ!」
「へへ。情報どころか、俺っちは元仲間────こりゃ、金一封どころじゃねーぞ!」
ギャーハハハハハハハ!!
実に楽しそうに笑いながらカッシュ達は朝の王都を駆け抜け、王国と民草の折衝機関である王国府に駆け込むのであった。
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