第7話  猫

7・猫


 実家で、猫を飼ってたのですが、私にだけ凄く懐いていて、私も可愛がっておりました。

 18歳まで生きて、亡くなりましたが、最後の数年は実家を出てしまって、看取ってあげることも出来なかったんです。


 その猫は、私がたまに実家に顔を出すと、声ですぐに反応して「ニャー、ニャー」鳴きながら、必ず顔を見せてくれていました。



 亡くなって2ヶ月ぐらいの頃に、実家に行ったのですが、私が玄関を入ると、すぐに二階から、トントン足音を立てて、その猫が急いでやってきました。

 私も、いつもの光景なので、普通に「はい、チー(猫の名前)!」と可愛がろうとして、亡くなっていることを思い出して驚いたら、いなくなっていました。


 そう言えば、いつもと違って「ニャーニャー」鳴いていなかったなと思いました。


 実家で私が顔を出すのを待っていてくれたのかなと思うと切なくなりました。


 ああ、猫、また飼いたいな。

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