第七十一話 あの日から・・・・私の思い
中学時代から関矢君の思いは知っていたけれど、生徒会を参加しなくなってから話す事も会う事も出来ませんでした。
それでも柴田さんから今日も関矢君が私の事見ていたわよ・・・・なんて言われて、口には出せなかったけれど嬉しかった私が居たんです。
もう会えないと思っていたけれど関矢君がどこの高校へ行ったかなんて知ることも無く居た私だったけど、まさか関矢君から声を掛けてくれるなんて超嬉しかったぁ。
ウフフフ誰にも言えなかったけれど私も好きだったの!まさか声を掛けてくれるなんて思ってもいなかったわ。
毎日学校へ行く前にわずかな時間だったけれど関矢君と会えるの、でもそれだけで其れ以上はなかったんです。
だって何時も側に柴田さんが居たし、学校の話とか友達の話を私が少しするだけで彼は只聞いてくれるでだけでしたけど其れでも楽しかった。
彼は二期校だったので、中間試験とか期末試験日程が合わなかったけど専門校だから私に話されても分からないのを知っていて、英語とか数学などの話題だけに絞って相談していたんだけど、普通科と専門校では課程が違くて内容が合わなかった~【(´;ω;`)】
其れでも一生懸命関矢君は答えてくれたし柴田さんにも分かり易く説明をして、ちょっとヤキモチを焼いた時もあったようなウフフ少しだけどネ。
其れから少しづつだけど中学時代との男子友達が増えてきて、高校2年生になった辺りから私が学校の帰りに会うことが多くなった田畑君や増田君との交流も増え、朝しか会っていなかった関矢君とは別に遊ぶようになっていったんです。
田畑君と増田君は関矢君とは同じクラスだったことも有って仲が良かったのと、田畑君は私と同じクラスだったことも有って直ぐに仲良くなりました。
関矢君と田畑君達は週1回土曜日とか日曜日に有っていたようですが、関矢君はアルバイトをしていたので私とは相変わらず朝しか会う事が出来ませんでした。
口には出さなかったけれど私は関矢君と学校が終わってからも会いたかったんですが・・・・・でも彼はアルバイトがあったし、其れで土曜日とか日曜日のアルバイトが無いときとかその前後に田畑君達と一緒に遊ぶことを提案したんです。
彼は最初アルバイトが有るからと言って遊ぶことを躊躇していましたが、私がどうしても関矢君と一緒に居たかったので無理矢理と云うかお願いしちゃったぁ。
でも何で関矢君がアルバイトを???朝聞く事が出来なかった事やもっと沢山話しかったし聞きたかったからウフフフちょっと強引だったかしらって今は思っています。
関矢君は私たち普通科と違って工業高校な為、学科の単位が少ないため自分でその分を補う勉強をする為の参考書購入や、塾に行くお金を稼いでいたようです。
彼は部活動が終わった後にアルバイトをしていたようで、夜遅くや休みの日には勉強をして大学受験の準備をしてたと後から聞きました。
関矢君は運動部で確かハンドボールを始めたとか、其れなのにアルバイトもして遅くに帰って来るとお母さんや純さから彼の家に行った時に聞かされ驚いたのを覚えています。
遅く帰ってから勉強をして、朝は何事も無いような顔をして私達にいつもの明るい顔を見せてくれてたんですが、そう言えばこの頃から関矢君は何でも一生懸命だったぁ!。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんが男の友達連れて来たよ。小太りの人とちょっとジャニーズ系みたいな人と普通の人」
「美咲何だその表現は!ウワァっ本当だ。お前の言う通りだな、美由紀は男を見る目がねぇなぁ!其れで普通な人って・・・・あれか、結構真面そうじゃねぇか」
「こんにちは、梶谷さんの中学時代の同級生の田畑で~す、そして増田と関矢で~す。お邪魔しま~す」
「護兄さん居たんだぁ、家に来たいって言ってるから連れてきちゃったぁ。美咲、紹介するね、田畑君と増田君。そして彼が関矢君。護兄ちゃんと妹の美咲ね」
「なんか軽いなぁ~!大丈夫かぁ?あの田畑って奴。それにしても増田って奴も体系は兎も角、真面なのは関谷って奴だけだな」
「きっとお姉ちゃんの好きな人って関矢という人だよ。一人だけ最後に紹介したでしょ、恥ずかしそうだったから多分そうだよ。一度聞いたことあるんだ、朝大好きな人とバス停で会えるんだって。きっとそうだよ」
なんて言われていた事を後から美咲に聞かされ、誰にも言わないでねって釘を刺したのを思い出します。
でも、関矢君は私と居るよりお父さんやお母さんと仲良くて、家で味噌作る時の手伝いや職人さん達と一緒に居たりして私は寂しかったんだから。
田畑君から柴田さんも誘ってみんなで遊ぼうよ!と言われた時にはチャンスと思って話に乗ったけど、あの時は関矢君来なくて・・・と云うか、勉強が大事な時期だったことを後で知りました。
護兄ちゃんから、と云うかお兄ちゃんは高校の先生だから関谷君の苦労を知っていて、工業高校生が大学受験をするには推薦が取りずらいのとやはり学科の時間が少ないのでと云うより実習で学科が少なくなっているので勉強が大変なんだそうです。
何故普通科ではなく工業高校を選んだのか分かりませんが、私はその時他人事としてあまり気にせずにいました。
関矢君が東京から帰って来てから純さんと秀樹さんの「弟はいつも俺たち兄妹の外にいた」と言う話を聞いて分かった気がします。
警察官の父親と教師の母親、そして優秀なお兄さんやお姉さんに敵わない、自分は兄や姉と一緒の所に立てないとの思いがあったようです。
その結果として自暴自棄の時期もあった様で、私の知らない関矢君が居たのを後で知りました。
おい関矢、卒業したらどうすんだ?お前大学行くのか、それとも俺達と同じように就職すんのか?
「あぁっ其れ、私も聞きたい!関矢君どうするの?私は短大行く事にしたけど関矢君共通一次受かったの?純さん何も言っていなかったけど」
「ゥンッ、俺東京へ行く事にしたから、東京の専門学校へ行って資格とる事にしたんだ。どうしても金が必要でさ、働きながら学校へ行く事にしたんだよ。だから帰って来れないかもな、ごめんなぁ」
「帰って来れないって?学校終われば帰って来れるよね、それに夏休みとかだって帰って来れるでしょ、待ってるからね」
「アッ、あぁそうだね。休みの時には帰って来れるかも、でも・・・・考えておくよ」
彼を皆と一緒に駅で見送ったけれどその時に彼の顔には笑顔も無かったし、関矢君のお父さんやお母さんも口数が少なくて・・・あの時に気付いていれば!。
アルバイトでバイクを乗っていたのは知っていましたが、スピード違反や三年の時に自動車事故を起こしていたなんて、そしてそれが原因で私達から離れて行った、何も知らされなかった私は連絡をくれるのをた時間と共に待って居たんです。
でも、関矢君からは東京へ行ったきり一度も連絡は来なくて、其れで近くに居た田畑君から交際を申し込まれ寂しさもあって交際をしたけれど、やはり私の心の中で違うって言っている私が居ました。
成人式の時に帰って来るのかと思っていたけれど、関矢君は帰って来なかったし、誰にも連絡は来なくて・・・・・そんな時に純さんと再び会う事が出来て私、純さんの生徒になったんです。
関矢君の事が知りたくて近づいたと思われても仕方が無いけれど、自宅へも何度も訪問させて頂きお父さんやお母さんとも仲良くなって、でも・・・関矢君の話は出来ませんでした。
連絡が無いまま其れでもずっと待って居た、其処へ高畑侑一さんが私の前に現れて・・2歳年下なのにどこか関矢君に似ていて何度か付き合いを申し込まれていたんですが断り続けて、でも根負けして付き合う事にしたんです。
何度かデートをしてそして結婚を申し込まれて、嬉しかったと云うか私の心の隙間を埋めてくれる温かさに私は、関矢君を忘れられることを望んだのです。
結婚申し込みを受け入れたあの日に私は彼と結ばれたけれど彼は帰らぬ人に、でも彼は私の中に侑希を残してくれたんです。
そんな私の前に15年ぶりに現れて、どうして関矢君は・・・ズルいんだから!
うぅん違うズルいのは私、困っている時に侑一さんではなく関矢君を思い浮かべていた私が居たのだから、侑一さんゴメンなさい。
わたし・・・私どうしても関矢君が忘れられなくて、侑希と一緒に彼の家族になりたい、結婚を許して欲しいの!
だって、だって侑希も私も彼が大好きなの、離れたくない、もう二度と離したくないの!だから許してください、彼のお嫁さんになりたい・・・・うぅうん、なります!!
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