第四十六話 あれから一年・・・・・関矢家の新年会
お~い浩ちゃん準備は出来てるかい。何か手伝う事ある?
もう準備は出来てますよ、皆さん集まり出していますから空いてる席に来た人から勝手に座ってください。
やっぱりここが良いねぇ、公民館や集会場は4日からしか使えねっぺ、小父さんがいた時から毎年この家で新年会やってたし、それに娘達が浩ちゃんや美由紀さんにお世話になってからお礼がてらの新年会やっぺと話してたんだ。
ゥンだ、そうなんだホントに昨年は世話になったから有難うね!今年も娘達を頼むね、ちょっとうるせぇけど其処は少し我慢し貰って、だけど都会ではどうなの?塾は当たり前だろうけど、毎日、受験勉強で遅くまで大変なんだっぺなぁ
何言ってんの、俺ん時だって大変だったんだよ、遅くまで勉強して、遊ぶときは遊んでってそりゃもう遊ぶのには・・・今思えばもっと勉強してればなぁ!
なぁに云ってんだお前の時に夜遅くまで遊んで、夜中にバイクの音がうるせぇって、鶏がタマゴ産まなくなるから静かにしろって言われたっぺよ
浩ちゃんも三年の時には結構遊んだよな、小母さん泣かせてたもんな。だけど今は立派になってくれて、子供達にも好かれっし、どう?家の娘可愛いべ、美由紀ちゃんが居なければ嫁にやっても良いと思ってんだ。
「おじさんたち何言ってんの、俺と梶ちゃんはそんな関係じゃないし。それに皆可愛いけど俺みたいな男には勿体ないよ、もうみんな彼氏がいるんじゃないの?知らないのは父親だけという話良く聞くからね」
なにぃ、家の娘に彼氏??・・・・そう言えばこの間俺の前で電話がかかって来てよ、俺の顔見てから小声になってさっさと部屋に入って行ったな、ぅんじゃあれは男からだったのか!?
何言ってんだっぺ、お前んとこの娘に男が出来る訳あんめよ、それより美由紀ちゃんはどうなの、浩ちゃんみんな心配してんだぞぅ
おぉっ!誰か帰って来たぞ・・・秀ちゃんじゃねぇか?お客さんと一緒だぞ?
「お~い浩史、お客さん連れて来たぞ。うわぁ今日なに?皆さんお揃いで、そうか新年会か。ちょと皆さん今日は浩史のお客さん連れて来たんで少しだけ浩史借りますから、その代わり長男の俺を間に入れさせてください」
おぅ秀ちゃん、明けましておめでとう。浩ちゃんにお客さんて・・・あんた確かおじさんの葬式ん時に、あぁ思い出した浩ちゃんの会社の社長さんだ。そうだ社長さんだ、浩ちゃん東京へ戻すんですか?其の為に来たんですか?
「社長って、おっお父さんそれに母さんも、秀樹兄さん俺にお客さんて父さん達だったの。今日来るって俺知らなかったんだけど」
「お客さんは父さん達だったのって!其れはないだろう。お前、久しく東京へ帰っていなかったんだから黒沢さん達がこっちに来てくれたんだぞ。何か言う事あるだろ」
「いやっその、父さん、母さん遠い所来て頂きましてそのぉ、明けましておめでとうございます。今年も迷惑を掛けると思いますが宜しくお願いします。其れと、、、来てくれてありがとう」
「浩ちゃん元気そうね、良かったわぁ。もっと東京へ出張で来てくれれば良いんだけど、この人が公私混同は出来ないとか言って、其れで明日この人がゴルフに行くって言うから私もついて来ちゃったのウフフフ、それに美由紀さんという人に会いたいしね」
「ウッフン皆さん、少しの時間だけ私達に浩史君を貸してください。実は浩史君は私達の子供でって言うと誤解がありますが、関矢浩介さん御家族にご了解頂いております。彼が私の会社に入社した時にあまりにも見られない格好でと云うか、古着屋さんで揃えたスーツでそれも全く似合わなくて((笑))、まっ其れが縁で私どもの家に来てから書生みたいに、それが子供のいない私たちにとってはとても新鮮で、それから毎週土日に私共と生活をするようになり住み込みの家政婦や運転手にも評判が良くて、其れで家の息子にって浩介さんにお願いしたんですが浩介さんから断られましてね、でも父さん母さんと呼んで貰う事だけは許して頂いたんです。という訳で、この時間だけ親子の会話をさせて頂きたいのです。申し訳ないです」
社長さん何言ってんの、アンタもこの地区の家族だよ。おじさんの葬式の時の挨拶を聞いていみんな感心したし凄く嬉しかったんだ。そうかアンタ達も浩ちゃんが大好きか?そりゃ嬉しいわ、なぁ皆
そうだよ、浩ちゃん。世話になった東京の母ちゃんにちゃんとしなきゃだめだよ。この地区は礼儀だけはうるさいんだからね、小父さんが仲良くしていくには挨拶が一番だと言って皆に話して、それが今では子供達にも繋がってんだから大人がちゃんとやんねぇとな。
そうだよ浩ちゃん、此れから侑希ちゃん達のためにもお母ちゃんとちゃんと話して向き合わなくっちゃイケねぇな。本当に幸せもんだよ、二人の父ちゃんと母ちゃんに大事にされてなぁ。
「父さん母さん御無沙汰してすみません。三月には帰るつもりでしたが、連絡が遅れて。今日はこの地区での新年会をと云う事でこの家に皆が集まってくれたんですよ。母さんには残念だけど今、梶ちゃんや侑希ちゃんは実家に行っていて留守なんだよね」
「あらぁそれは残念ねぇ。早く会いたいわ、侑希ちゃんに。可愛いわよね、未だネットでしか会っていないから私、今日会えるの楽しみなのよ本当の孫が出来たみたいで、ねぇあなた」
「本当だよ、姪っ子に子供が生まれれば良いんだろうけど姪もまだ結婚するつもりが無いようだし、今年も海外旅行だって一人で出かけてるしな」
「父さん、姪っ子って俺はまだ会った事ないから分からないけどどういう人なの?そう言えば会わせるって言ってたけどまだ会わせてもらっていなかったね。」
「あらっ貴方、会いたいの。美由紀さんがいるのに、其れって浮気になっちゃうわよウフフフ」
「べっ別にそういう訳じゃなけど、其れから母さんも父さんもだけど俺と梶ちゃんは恋人でも付き会ってる訳でもないから、そりゃ確かに一緒に居れば情も移るし・・・だからと言ってまだそんな関係じゃありませんゴニョゴニョゴニョ・・・なればいいなっては思ってるけど」
「そんなんだから、あなたのお母さんもお父さんもずっと心配してたのね。何時までもハッキリしないで、女はねハッキリしない男は嫌いなのよ。東京にいた浩ちゃんはハッキリしていたのにどうしてかしらね、その辺考えてあげたほうが良いんじゃないの。それから私は今晩泊りますから宜しくお願いしますね、お父さんはそろそろ迎えが来るはずだからそれまではご一緒にさせて頂きましょう」
「そうだな、皆さんに浩史を返さなくっちゃな。それに美由紀さん達も帰ってくるんだろうからな。皆さん浩史を借りて申しわけありませんでした。私達も参加させてください」
おぅ、入んな。そうけぇ、アンタ達は浩ちゃんの東京の母ちゃんと父ちゃんだったのけぇ。
そんならもう、あんた達は何時来ても俺たちは大歓迎だ。何もねぇけど人情はあっから、此処は昔からそれだけで繋がってんだよ。
だからお互い助け合って生きて来たんだ、皆家族見てぇなもんだよなぁ、みんな。
「ありがとうございます。此れも御縁だと思って宜しくお願いします」
形っ苦しいことは良いから。まぁ、こっち来て一緒に飲みましょや。
浩ちゃん、美由紀ちゃん達はそろそろ帰ってくんのか?俺達もまだ新年の挨拶してねえからよ。
ホントに浩ちゃんと美由紀ちゃんには子供達が世話んなって、俺達大助かりなんだ、畑仕事に出てもやっぱり心配だし、それに此の辺じゃ塾なんてなぁ夜に街中迄遠くて行かせねえからな。
キュッキュスゥキュスゥキュス パァパ、パァパ、ジィジバィバィ、パァパオ~ジ
おぉう、お~い浩ちゃん帰って来たみてぇだぞ、、ちっちゃな姫さんがよぉ。
外でパァパパァパって呼んでる声がすっぞ、ほらぁ帰って来たぁ
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