第4話 店員からの回答

 お嬢さん、ノートを切り取ってしまったことはいいのですが……

 できれば、整理された情報よりも、お嬢さんの活躍を知りたいです。


 あと、「まず、一本目の……」とのことなので、二本目以降の情報も期待してよいでしょうか。


 『乙女の槍』については、さっそく資料を取り寄せました。マクミナル博物館にも見学に行きましたよ。師匠がひとりで! 僕はお留守番でしたが、師匠がすごくたくさん写真を撮ってきてくれました。まぁ、店を閉めるわけにもいきませんしね。


 師匠によると、「パルシファル王朝時代に作られた槍にしては、壊れていることを差し引いても保存状態がすごくいいが…… 正直武器の性能としては、初心者向け」とのことです。


 あと、お嬢さんが気にしていた握り部分の青い石については、師匠も頭を抱えていました。継ぎ目も空洞もなく、まるで内側から生えてきたように青い石が埋まっているそうですよ。


 でも、「『エレメンタル』という概念は、今じゃぁ使うことはできねぇが…… 武器を作る段階から力を付与する方法があれば、あるいは……」とも言っていました。


 また、「強力な一撃に引き換えで自壊するのは、確かにロマンが詰まっているが…… 合成人間との戦いのさなかに武器が壊れちまったら、ハンターたちの命を危険にさらしかねん。」と懸念していましたよ。


 師匠の武器はもともと堅実な方面ではありましたが、お嬢さんがハンターになってから特に顕著になったように思います。

 師匠からお嬢さんに直接言うことはないでしょうけれど、心配なのでしょうね。


 そうだ! 親子といえば『ミステリ・マグノリエ3』の制作が決定したんです!

 前作の主人公と、今作の主人公の間の子どもが3の主人公になるらしく……


 前作と今作の主人公たちはまだ直接の面識はないんですけれど、見返したら、お互いに画面の端々に映りこんでいました。

 ただ、作中の時間軸的にあり得ない組み合わせなんですよね……


 『ミステリ・マグノリエ1』の主人公は50年後のハイスクールに通う女子学生なのですが、彼女がいにしえの王国の謎に巻き込まれる原因となった本の作者が、『ミステリ・マグノリエ2』の主人公なんです。


 ただ、『ミステリ・マグノリエ1』の中で本の作者は鬼籍に入っていることが明示されているので…… 科学の進歩でどうにかしているのでしょうかね?


 あ、科学といえば。先日、お嬢さんのお友達のセバスさんがお嬢さんに用事があると言っていましたよ。急ぎの用事ではないそうですが、連絡が欲しいそうです。


 それと、前作と今作を見返したときに、気になったのですが、主人公同士が映り込んでいるよりも沢山、ツインテールの後ろ姿が入っているんですよね……

 『ミステリ・マグノリエ3』の主人公はボブカットの少女ですが、後ろ姿のツインテールと髪色や髪質が同じ何ですよねぇ。


 しかも、同じシーンに3人が集まることも絶対にないんですよ。もう、謎が謎を呼んで、『ミステリ・マグノリエ3』の公開日がすごく待ち遠しいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る