右手の恋心

@huunzi

第1話

 「なぁ、俺、恋しちゃったみたいなんだ」

 恋というものは素晴らしい。誰かを愛しく思う気持ちは何者にも勝ると思うし、大切でかけがえのないものだ。それは時に悲しい結末を招くが、それさえもいつしか人生の糧となる。そんな唯一無二の感情。

「どうしよう、告白とかした方がいいのかな」

誰かを愛するというのは、確かに素晴らしいことなのだ。

「でも左手ちゃんに嫌われたくないし……」

そう、人間にとっては。


「右手の分際で恋とかしてんじゃねーーー!」


俺の怒号(小声)が四畳半に響き渡った。

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