第13話 ぺぱぷ

「プレーリーさん、それとそれを組み合わせるっす。ルロウさんのはそれに差し込む形で…」


 現在、いよいよ本筋のライブ会場のセッティングを行っているところだ。


 一緒に作業しているのは、アメリカビーバーさんとオグロプレーリードッグさん。


 ビーバーさんの指示は的確で分かりやすいし、オグロさんはテキパキ動いていて作業がスムーズに進む。


 そんな彼女達は普段からこういうことをしているみたいだ。

 正に二人の相性はベストマッチ!ということだ。



 まぁ、オグロさんに挨拶キスをする癖がなければ良かったんですけどね。

 俺はもちろん、悪いけど拒否させて貰いました。己の純粋は守らせてもらう。





 §





「ふぃ~、やっと終わったぁ」


 オグロさんの挨拶から逃げるのに余計な体力を使ってしまったから、尚のこと辛かった。

 ほんとにもう、死ぬ思いでもう……


 とりあえず、小屋に戻ろうかn「ルロウお疲れ様!ちょっとこっちに来れるかしら?」


 マーゲイさん!勢いが凄い!


「どうしたn… 痛たた!?」


 ちょっ、引っ張らないで……





 §





「この部屋よ」


「なんですか急に…… 『控え室』?」


「ほら、貴方ぺぱぷに会いたそうな顔してるじゃない?」


「顔に出てた…?」


「そんな訳で、お礼も兼ねて…… はい!ぺぱぷの皆よ!!」


 開け放たれた控え室の中には、五人のフレンズが待ち構えていた。

 彼女達は俺の姿を見ると、まるでライブのような自己紹介を始めた。


「はじめまして!ロイヤルペンギンのプリンセス!」


 ピシッとポーズを取って、最初に名乗り出たのはプリンセスさん。黄色い飾り羽に白が多い髪が特徴だ。


「コウテイペンギンのコウテイだ」


 落ち着いた様子の彼女はコウテイさん。一目見た感想は、色々とデカい。


「じぇ、ジェンツーペンギンのジェーンです!」


 少しぎこちない彼女はジェーンさん。お淑やかな雰囲気で、清楚系といったところだろうか。


「イワトビペンギンのイワビーだっ!」


 元気良く飛び上がったのはイワビーさん。黄色の飾り羽に黒い髪がマッチして最高にロックだ!


「フルルー!……あ、フンボルトペンギンー」


 すぐにじゃぱりまんを頬張ったのはフルルさん。ゆるふわ~な感じで、所謂天然系だろうか。


「五人合わせて~?」



「「「「「ぺぱぷー!」」」」」

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