第3話 旅の始まり

「ルロウ、ドウシタノ」


 異変に気付いたのか、先を進んでいたラッキービーストが戻ってきた。


「その、お腹を空かせてしまって…… 何かないかな?」


「アルヨ、チョット待ッテテネ」


 そう告げたラッキービーストが何か通信のような挙動を取った後、近くの茂みからカゴを持った別の個体が飛び出してきた。


 カゴの中には平仮名の『の』の焼印が刻まれた饅頭のようなものが沢山入っている。


「えっと、これは?」


「コレハ『ジャパリマン』ダヨ」


「貰ってもいいのかな?」


「イイヨ」


「ありがとう。それじゃあ、いただきます」


 ぱくりと一口。


「美味しい!」


 広がる旨みと共に湧き出た言葉。

 一見ただの饅頭なのかなと思ったがそうではなく、シャキシャキした食感があることから野菜が入っているみたいだ。


 栄養も取れるし美味しいし、いいなこれ!


「もう一つ貰ってもいいかな?」


「イイヨ」


「やったー!」


 これなら幾らでも食べれるような気がする。

 お言葉に甘えておかわりを貰うことにした。


「あ、こっちは魚の風味がする!?」





 §





 すっかりと太陽は眠りに就いてしまった。

 だがお腹はしっかりと膨れた。


「よし、気を取り直して出発だ!」


 ここから本当に俺たちの冒険が始まる!!

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