第2話 なまえ
「…」
その言葉を紡いでから、暫しの静寂が辺りを包み込んだ。
ラッキービーストの反応はない。それもそうだ。自分でも無茶なことだって分かっている。
(仕方がないか)
「俺の名前は……」
「ルロウダネ」
「る、ルロウ…?」
「君ノ外見ハ、ココデ暮ラス狼ノフレンズニ似テイルンダ。ソコニ流レ着イタ事ヲ加エタヨ」
『流』着いた『狼』で流狼か。
良い名前じゃないか。元々、流浪の旅人としてやっていたんだから。
「俺の名前はルロウだ、よろしくな!」
「名前ヲ『ルロウ』デ登録シタヨ、ヨロシクネ」
「では早速、目的地はロッジに!」
「目的地ヲ登録シマシタ」
「よし、それじゃあ出発だ!」
ここから俺の…… いや俺たちの新たな旅は始まった!!
───まぁ、すぐに始めたいところだったんだけどね。
ここ暫く何にも食べてなかったから、お腹減っちゃった。腹が減っては戦ができぬ。
どうしよう。
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