第3話【Q.ギルドといえば?A.迷惑な冒険者!】
あの後
「金が無いなら冒険者ギルドに行くといい、いくつか素材を持っているならそれを売って金に出来る。カードも作っておけば更に金が稼ぎやすくなるぞ。」
という、とてもとてもとーーってもありがたいお言葉をいくつも頂き、ギルドでは絡まれたくないなぁ……と思いながらイシスは1人で冒険者ギルドに向っていた。
(やっぱりお金が手に入ったらなにかご飯が食べたいな……!)
前言撤回、思っていなかった。
─────────────────────
重厚な扉を開くと、もはや言うまでもない冒険者ギルド感がボクを歓迎してくれる。
丸い机が並び、カウンターには色んな職員さんが受付をしている。右側には2階へと上がる階段があり、2階は宿になっているようだ。左側はクエストボードがある。
(これが……冒険者ギルド…ッ!!)
言うまでもなくワクワクし、受付に並んでいた…のだが……
「おいおい、ここはテメェみてぇなガキがいていい場所じゃねぇぞ。さっさと俺に場所を変われクソガキ。」
やっかいな ぼうけんしゃに おそわれた!
覚悟はしてたけど、やっぱりこうなるか……。
っていうか周りがザワザワしだした。まあそうだよね。
とりあえず鑑定しとこ。
【グレゴリー・ドバート】Lv.23
EXP:573/2000
【スキル】
・罠感知:Lv.2 ・炎魔法:Lv.1
【ユニークスキル】
無し
【称号】
無し
よっっっっわ!!!!
さすがに少しびっくりしてしまった……。
「なんだ?無視か?この俺を無視するっつーことは、どういうことかわかってんだろうな?」
わかるわけないだろこのあたまぴかぴかー!!!と心の中で思いつつも、口に出すのをグッと堪える。
あくまで向こうが手を出てきた場合だけだ。これでもボクは我慢ができる大人な女だからね!ふふんっ!
「……あーくそ!なんか反応しろよこのクソガキが!もういい!この際だったら決闘だ!決闘しろ!」
つるぴかは背中にかけていた大剣をこっちへ向ける。
どうやら決闘をしたいらしい。INT15でもここはちゃんとしているようだ。もしくは人生を決闘に捧げているのかもしれない。
(…嬢ちゃん、悪いことは言わねぇ、拒否して、また2刻後にくるべきだ……!)と隣のイケおじが耳打ちしてくれるが……
「ん、いいよ。その決闘受けてあげる。」
『!?』
受けるしかないよね。めっちゃ驚かれたけど。
──────────────────────
<訓練場>
『勝利条件は相手を気絶させるか、降参させるかです。死亡の心配はございません。では、決闘開始まで……10...9...』
「随分と余裕そうだな!相手の力量も測れないガキが!舐めてんじゃねぇぞ!」
『6...5...』
どっちのセリフだよ。
『4...3...』
「……まあいいや、じゃ、やろう。」
「ハッ!後悔することになるぜ。」
本当にセリフが小者だな……。
『1...決闘開始!』
「どこからでもかかってきなよ。」
「…ッチ!」
つるぴかばかは、不壊だが相手を殺せず、気絶値のみ溜まるという魔法の木の大剣を構え、こちらに迫ってきている。
対してこちらは何もせず、ただ待っているのみ。
「足がすくんだのかしらねぇが、動かねぇなら1発で仕留めてやるよ!死にやがれェ!!!」
つるぴかばかあほは思い切り大剣を振りかぶる。
その軌道は首へ迫っている。
首に当たってしまえば1発で気絶するため、それを狙ったのだろう。
だが……
「!?」
迫り来る木の大剣を掴み、破壊した
その流れのまま、相手を切り刻む。その間僅か0.1秒。つるぴかばかあほくそざこ大男は音を出し倒れた。
「……しょ、勝者イシスさん!」
『うおおおおおおお!!!!』
──……歓声に飲まれる中、ボクは聞き逃さなかった。
──刃物使いが【剣豪】に進化しました。──
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