間話 4月25日(A面)
高校に入学してからもうすぐで3週間が経つ。
八色くんと『あの日』を境に、また普通に話をすることができる様になった私は、何となく、本当に何となーくだけど、日記をつける様になったのだ。
こんなこと千秋ちゃんにも、それこそ八色くんにだって言えない。
中学時代にも何度か日記をつけてみようと思い立ち、実践をしてみたことがある私ではあったが、その度に日記の中ですら自己主張を行うことの難しさに直面してしまい、三日坊主にすらならなかったのだ。
なので私は三日坊主という言葉が好きじゃないです。当て付けだけどね。
そんな私だけど、高校入学のために色々と努力した成果がほんの少しだけでも現れているのか、今回ばかりは三日坊主になることはなく『あれ』から1週間近く経過した今でも、日記を書くことは続けることが出来ていた。
他の人の日記なんて、それこそ見るものではないし、見せてもらった経験なんてないから自分の書き方があっているのか分からないけど、今の所はこれでいいか、なんて考えている。自分で見れば何のことかもわかるし。
もしかしたら、これから書き方なんかも少しずつ変わっていくかもしれないけど、きっとそれが私のやり方なんだって、今は素直に思える気がする。
そんなことを手元にある日記に目を落としながら考える。
具体的にはつい先ほど書き終わった日記を見て考える。
日付はもう翌日のそれに変わっているけど、今日はよく眠れそう。
ううん、もしかしたら真逆かもしれない。
心がぽかぽかとして、今もその暖かさが残っている私は、寝れるのか寝れないのか。果たしてどちらに転ぶのでしょう。なんて、自分で自分を実況してみながらベットに入る。
普段は閉めて眠るカーテンを、今日は開けていた。
なんとなく、そんな気分だったのだ。
☆ ☆ ☆
04/25日
間違って彼に電話を掛けてしまった。
それを認めるのもイヤだったからちょっと話した。
電話だと、いつもより少し口調が柔らかいみたい。
彼はやっぱり、エスパーなのかも。
☆ ☆ ☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます