第五話 ありがとうのつたえかた

 

 学生の本分とは何か?


 そう問われたら、余程性根のねじ曲がった生徒でもない限り、概ね全ての学生が『勉強』と、答えるだろう。中には、『青春』なんていう酷く抽象的な回答をする学生ももしかしたらいるかもしれないが、その辺りについては今の僕には到底理解が及ばない分野なので、触れないでおこうと思う。

 第一、青春の定義ってなんだ。


 その他大勢の模範的な学生と同じ感性を有していると自負する僕も、前述の問いを聞かれたら、もちろん『勉強』だと回答する。

 義務教育の範疇だった中学生の頃と、その範囲を超え、自らが学ばんとして入って来た高校生である今ならば、それは言わずもがなであるし、僕自身の気持ちとしても、中学時代と今とでは、勉強に対してのモチベーションは確かに違っているのだから。

 もちろん、今現在の方が、学習意欲は上。という事である。

 今の僕には、それを頑張ることしかできない。そう決めてここに来たんだ。


 学生という身分に身を置くにあたり、必ず付随してくるものの一つが、『試験』である。学校という性別も性格も何もかもが違う大多数の人間が集う一塊のグループの中で、明確に優劣を付ける指標となるものの代表格が『試験。』つまり、テストの点数だろう。


 中学時代、試験の成績でいうと学年10番以内から一度たりとて外に出たことは無かった僕であるけれど、中学2年の1学期から、中学3年の3学期までの試験期間は、その他の期間と比べてもとても大変だった。


 一言で言うと、必死だったのだ。


 じゃあその期間の何が大変だったのかと言えば、『勉強が手に付かない』ことだった。


 全くもって曖昧で、遠回りな言い方で濁してしまっていたけれど、簡潔に言うと、僕は今試験勉強をしている。


 放課後になり、人気のなくなった入学したばかりの高校。


 教室で一人、翌日に予定されている、入学後初である実力試験の試験勉強を行っていた。


 その静謐な空気に当てられたのか、不意に、彼女−−厳密に言うと、元彼女。

 水原笑美と過ごした学生生活の試験勉強の一幕を、それに付随する記憶を、思い返していたのだ。


 当時、それまでの人生では一度たりとて感じたことのない感覚に最初はそれはもう戸惑ったのだが、それを既に無くしてしまった今にして思うと、あの頃の僕が持て余していたその感覚は、決して不快なものでは無かったのだと、そう思いながら。




※※※




 中学2年の7月。


 僕と水原は、ここ数ヶ月で『いつも通り』となった、中学校のとある空き教室にて、机をくっつけ、向かい合わせで座っていた。


 グラウンドからは、運動部の面々がそれぞれに発する掛け声が聞こえ、この学校の敷地のどこにそれほどの数がいるのか、無数の蝉の声が鳴り響いていた。


 それらの音に混じり、時折聞こえてくる吹奏楽部の個人練習の音に耳を傾けながら、僕は手元に開いた教科書を眺めるフリをして、正面に座る水原を眺めていた。


 「〜〜♪」


 水原は時折、無意識なのか、問題を解きながら鼻歌を歌うことがあった。

 以前に一度、気になったのでそのことについて尋ねた際、酷く狼狽していたため、きっと無意識での事なのだろう。


 あの時はなぜか真っ赤になって、「もう絶対に歌わない……!」なんて宣言していたのだが、やはりそうそう癖は抜けないらしい。


 いや、そうやって癖が出てしまうくらいに、僕の前ではリラックスしてくれているのかな。とか。

 そんな気持ちの悪い事を考えてしまうくらいには、僕も水原の鼻歌が気に入っていた。


 普段は可愛い声なのに、水原は歌うとすごく綺麗な声になるのだ。


 「……あ、あの、八色くん。ここなんだけど……」


 そう言って節目がちに、おずおずとノートを差し向けてくる水原に頬が緩む。

 ノートに目を向けると、数学の一次関数の活用問題で行き詰まっている様であった。


 水原は成績で言うと学年の真ん中より少し上くらいではあるのだが、どちらかと言うと理系科目より、文系の科目の方が得意な印象があった。

 僕もどちらかと言えば文系の科目の方が得意だったので、そんなところも一緒だなと、密かに嬉しく思ったりしていた。


 本人の弁によると、「数学はお腹が空くから嫌い」なのだそうだ。

 何か恥ずかしいことでもあるのか、その理由はついぞ教えて貰えなかった。


 水原に問題の解き方を教えると、しばらくうんうんと唸ってはいたものの、急にパッと顔を上げ、「あっ!分かった!こういうことかあ!……ありがとう、八色くん」と、嬉しそうにノートに回答を書き記して行った。

 その姿を見て、僕も心が温かくなるのを感じていた。


 こうして近くから見る水原の顔は、少々大きすぎる眼鏡に邪魔はされているものの、ぱっちりとした目は大きく、鼻はすっときれいで、小さく笑みを作る唇がとても魅力的に見えた。


 半ば無意識のうちに水原の唇を凝視してしまっていたことに気付き、慌てて目を教科書に向けるも、彼女にバレていないかが気になってしまい、かと言ってもう一度彼女の方を見るのも憚られ、顔に集まる熱を感じていた僕には、教科書の内容なんて何一つとして入って来なかった。


 僕と水原では当時は学力に差があったため、一緒に試験勉強をしていても、僕が彼女に教えるというある意味では一方的な関係になっていた。

 自分の彼女に勉強を教えることができる、なんて。

 僕としては誇らしいとは思いこそすれ、迷惑なんてことは一度たりとて考えたことはなかったのだけれど、当の水原はというと、自分が僕の負担になっているのではないかと不安に思っているようであった。


 実際にその様な旨の質問をされたこともあり、そんなことを聞かれるまで、彼女の苦悩に僕は気付いてあげられなかった。

 何度か「そんなことはないよ」と、伝えてはみたものの、やはりどこかでは引っ掛かりを覚えていた様で、完全に納得している様子ではなかったのだ。

 

 今にして思えば、水原は僕が初めてできた恋人であり、もちろん付き合うなんていうのも生まれて初めてのことだったから、些細なことで不安になっていたのだと思う。


 それは僕にしても全く同じことが言え、もしかしたらこれが原因で水原に別れを切り出されてしまうかもしれないなんて、大袈裟に悩むこととなった。


 恋愛という今まで経験したことがない分野に直面した僕が、悩みに悩んで出した結論は、『勉強を教える代わりに、お菓子をくれ』という、よく分からない等価交換の要求であった。


 水原は、一般的と言っていいかは女性経験の少ない僕にはいまいち言い切ることは出来ないが、僕の中の一般的な女性のイメージとそう変わらず、スイーツや、駄菓子など、甘いものに目が無い女の子であった。


 そこまで校則が厳しくなかった我が校では、授業中は論外として、それ以外の休憩時間や昼休みなどにお菓子を持ってきて食べる。くらいのことは許可されていた。

 僕はもちろん持ってきたりなんかはしていなかったのだが、水原はその他大勢の女子と同じ様に、学校にお菓子を持ってきて、友達と交換したりしてそれを楽しむ。ということを行っているのだと、勉強を終えた帰り道でにこやかに話すのを聞いたことがあったのだ。


 自分でもなんて狭量なんだと、未だに思い返す度に盛大にため息を吐きたくなるのだが、その話を初めて聞いたときに僕は、あろうことか、水原の持ってきたお菓子を食べることができるという水原の友人に、嫉妬をしたのである。


 もちろん、そんなことはくだらない僕の感情で。それを水原本人に言えるほどの精神の強さは、その頃の僕にはなかった。

 まあ、言わなくて正解だったとこれは今でも思っている。

 だって女友達に嫉妬するとか、普通に気持ち悪いだろう僕。


 まあ、もうわかったかと思うが、僕が水原に勉強を教える対価として考えた、『お菓子をくれ』という作戦は、水原の精神的な不安を解消するという名目の元、完全に僕の水原のお菓子を食べたいという自己満足、自己欲求のために行われたことであったのだが、これを聞いた時の水原の嬉しそうに、安心した様に頷いた顔を見て、僕も二重の意味で安心したのだった。


 僕は別に甘いものが好きな訳ではないのだけど、この事が理由で水原には甘い物好きという印象を植え付けてしまったのだった。

 どちらかと言えば、普通にポテトチップスなんかの方が僕は好きだ。


 その後も、勉強会という名の放課後デートを重ねた僕らは、順調に交際を進めていた。


 その中で段々と確立されて行った僕と水原の決まり事の一つがあって。


 

『ありがとうの気持ちを伝える時も、お菓子を渡す』



 というものだった。


 僕と水原は学内であけすけに付き合うというよりも、お互いに親しい友人が少なかったこともあるが、付き合っている事を特に公言しないで交際していた。

 だから僕らが付き合っているなんて認識をしている生徒は、水原の友人を除いてはほぼいなかった。


 しかし、そんな状況もあってか当時の僕らは、所謂ラブラブのカップル状態であり、紛れもなく浮かれていたのだ。

 他の学生が近くに居たりする時に、こっそりとお菓子を手渡す。なんていうある種儀式めいた、二人だけにわかる秘密。


 そんな少しばかりスリルと背徳感のある行為をあの頃の僕らは楽しんでいたし、あろうことか僕はそれを、どこか神聖なものの様に確かに感じていたのだから。


 まあそんな関係も結局は長くは続かず、僅か1年と半年余りで幕を下ろすことになるのだが。

 水原が本当は可愛い、なんて。

 僕だけが知っていると思い込んでいた気色の悪い独占欲ってやつも、結局はそんなことは無くて、ただただ僕の歪んだ願望だった。

 僕はそれすらも、別れてからすぐにこれでもかと思い知らされることにもなったのだけれど。

 違うな。

 多分、僕は別れる前にはきっともう、それに気付いていたのだ。

 けれど僕は最後まで気付かないフリをしていたし、きっと水原も、僕にはそれを見せない様にしていたのだ。

 まあそれは高校で再び出会うことになった、随分と垢抜けて、綺麗になっていた水原を思えば、遅かれ早かれ皆には気づかれる事だったんだな。と、今にしてようやく理解する事でもあった。


 そんな過去を夢想したところで、意識を今に戻す。


 中学の時に感じていた独占欲なんてものは、今の僕にはもう一片たりとも残されてはいないのだから。


 そう、これはただの終わってしまった、昔の記憶だ。


 後悔とも言えない何かの、ただの感情の残り物だ。




※※※




 

 放課後の教室で勉強している際に、ふと昔の記憶を思い返してしまった僕は、なんとも言えない苦い気持ちを覚えた。

 これ以上そのことについて考えるのも嫌だった為、気分転換がてら、購買へと行くことにした。



 すぐに戻ってくるし良いか、と。教室の扉は開けたまま廊下へと進む。



 変なことを思い出したのだって、昼食を食いっぱぐれたことで腹が空いていたからかもしれないな。

 そこまで考えて、今日の昼休みのことを思い返しそうになった為、意識を無理やりに変える。


 変に過去を思い返してしまったことを、空腹のせいだと誰にともなく言い訳をしつつ、人気もまばらな校内を歩いた。

 時計は確認していなかったが、結構な時間が経っていたのか、生徒の数は数えるくらいしか見つけられなかった。


 下校時間が近い為なのか、単純に残り物がないのか、購買は閉まっていた。

 こんなことなら勉強を始める前に、腹ごしらえを済ませておくんだった。なんて、今更ながら自分の行動のちぐはぐさに嫌気を覚えながら、元来た道を辿る。


 教室へと続く廊下に差し掛かると、階段の踊り場で複数の生徒が話しているのが目に入った。


 なんとなく目を向け、自分のタイミングの悪さを呪うことになった。



 水原笑美がいたのである。



 高校に入ってからの水原とのことを思い出し、見て見ぬフリをして、さっさと教室に戻ろうと思ったのだが、どうにも様子がおかしい気がして、歩みを緩めながらもう一度見やる。



 「ねえ、いいじゃん。一回会うだけ!ほんと一回だけでいいからさ!ね?」


 「……いや、だからそういうのは、私あんまり得意じゃないっていうか……」


 「水原さんさあ、こんなに裕子がお願いしてんだから、一回ご飯食べに行くくらいしてくれても良くない?」


 「……うん、ごめんね。でも、本当に私そういうのはちょっと……」


 「はぁ……。って言うか向こうの人たちにも、もう水原さん来るって言っちゃったし、それにさっきは、うんって言ってくれたじゃん」


 「それは、えっと……お昼ご飯食べた後で、ちょっとぼーっとしてたって言うか……」



 そこまで聞いて、壁に沿う様にゆっくりと歩いていた速度を、元に戻した。

 一つだけ極々小さくため息を吐き、階段の下から声を掛ける。

 僕は、今も昔も変わらずバカなのかもしれない。


 「水原さん。よかった、探してたんだ」


 踊り場にて話す3人の視線を浴びる。


 「はあ?あんた誰?今あたしたちが話してんだけど?」


 「うん、邪魔してごめん。委員会のことで今日中に先生に提出しろって言われてた書類があって、後は水原さんに書いてもらう分だけだったから。終わって先生に提出しないと帰れないし、すぐ済むからちょっと借りてもいいかな?」


 「……!あ、う、うん!わかった!……ごめんね、吉田さん。そういう訳なので、ほんとごめんね!じゃあ」

 

 吉田と呼ばれた生徒が何かをいう前に、水原はそう女子2人に言い残して階段を降りてくる。

 それを視界に入れつつ、教室へと向かった。




 僕は何をやっているんだ……。


 見て見ぬ振りをすれば良かっただろう。


 本当に困っていたのかなんてわからないじゃないか。


 話しかけるなとまで言われていたんだぞ。


 それに、もし仮に助けたんだとしても、用事なんてないぞ……。


 水原もああ言った手前、僕についてくるしかないだろうし。


 ていうか、断るならもっとはっきり言わなきゃダメだろう……!


 昔から気が弱かったけど、多少姿が変わった今もその部分は変わっていないらしい水原に、意味もわからない苛立ちを抱えた。

 それこそ今の僕にはもう関係がないのだとすぐに思い直し、頭を振る。


 ……くそ。言い訳も何も思いついたもんじゃない。


 今更になって水原に声を掛けてしまったことを激しく後悔しながら、教室へと歩みを進める。



 後ろからは確かに水原の足音が聞こえていた。




※※※




 碌な言い訳も思い浮かばないまま教室に着く。



 扉を開けて中へと入った。



 無言で教室中央の一番後ろである自分の机へと向かう。


 遅れて教室に入ってきた水原が静かに扉を閉める音だけが虚しく響く。


 机に座るのも躊躇われ、じっと黒板を見やる。


 握り締めた掌にじんわりと汗が溜まるのがわかり、ブレザーの端に擦り付けた。


 沈黙だけが続く教室。


 何も発さない僕が小さく身動ぐ音だけが、嫌に大きく聞こえる。


 何をどう言えばいいのかわからない。けど、けどだ。


 ……なんで水原も何にも言って来ないんだ!?


 どれくらいその時間が続いたのだろう。


 押し黙る僕を見て、何を思ったのか、机二つ分は開いていた距離を1歩だけ、水原は詰めてきた。


 「……書類って、なんのこと?」


 ……なんのことだろうな。僕が聞きたい。


 「……」

 

 返す言葉が出て来ず、何も言うことが出来なかった。


 「確かに私もや……あなたと同じで図書委員になっていたけど、書類なんてなかったわよね?」


 今日の午後に行われていた委員会の顔合わせでは、極力水原の方を見ない様にしていたけれど、彼女も僕がいることはさすがに知っていたらしい。


 ……というかもうこれ、僕が嘘をついて呼び出した事は、確実にバレているな……。


 どうやってごまかすか、考えてもいい案は浮かばなかった。


 というか、視界の隅にチラつく水原にばかり気を取られ、頭が回っていない自覚があった。


 ……仕方ない、話しかけるなと言われていたにも関わらず、それを破ったのは僕の方だ。

 ここは素直に謝罪しておこう。


 ……これっきり、もう話し掛けないからと、改めて言えばまあ、許してくれずとも、分かってはくれるだろう。


 覚悟を決めて口を開く。



 「……悪かった」


 「…………それは……なんに対しての謝罪?」



 まるで、何かを押し殺すかの様な声音で尋ねられた。


 なんの謝罪か、なんて。聞くまでもないだろうに。


 それとも……


 そこまで考え、今自分が何を思おうとしていたのかに思い至り、後悔と共に強く奥歯を噛み締めた。

 そうでもしないと、自分でもわからない何かが、口から出てしまいそうだった。

 直前に決めた覚悟なんてものは、あっけなく崩れ去っていた。


 答えに窮していると見たのか、少しだけ僕の返事を待つも、答えが帰ってこないと見て憤ったのか、先ほどより少しばかり確かな語気で水原は口を開いた。



 「……わからないなら、良い。一応、その…………ううん。それじゃ」



 そう言って水原が踵を返すと同時、小さくぐうっとお腹が鳴った。


 確かに僕のお腹から出たそれは、小さい音だったけれど、閑散とした放課後の、僕ら2人しか居ない教室には、しっかりと響いた。

 


 僕が羞恥心や罪悪感にも似た、なんとも居た堪れないものを感じ、顔を隠す様に俯くと、僕に背を向けた筈の水原が、目の前まで歩いて来ていた。



 「……お昼、食べてないの?」


 「……いや、食べた」


 嘘である。


 自分でも何故なのかわからないが、どうでも良い見栄を張り、くだらない嘘をつく。



 「……ん」



 おもむろにブレザーのポケットを漁った水原は、小さく握った手を向けてきた。


 反射的に手を差し出してしまうと、水原の小さい掌が開かれ、ぽとっと僕の手に落ちるものがあった。


 あまりに唐突な出来事に、少し呆けてしまった。

 もう何もかも終わった筈なのに、在りし日の2人のやり取りが頭をよぎってしまい、呆然とした。

 僕の手に残されたそれが、何か確認しようと思った時には、水原は教室を後にするところだった。






 結局、話しかけてしまった事に対する謝罪もしっかりとは出来ないまま、掌に残された小さな飴玉へのお礼も伝えられないまま……。

 僕は水原が出ていくのを眺めている事しか出来なかったのだ。



 最終下校時刻を告げる鐘の音が聞こえるまで、結局僕は、そこを一歩たりとて動くことができなかった。



 鐘の音により硬直していた身体が解け、帰るための支度をしようと机に目を向けた。



 −−−ああ……



 今日だけで一体何度目かわからないけれど、確かに時が止まった。





 机に置かれている僕の鞄のそばには−−−

 

 小さな飴玉が一つ、置かれていたのだ−−−







 それは、僕の掌に残る飴玉と、確かに同じものだった。








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