ネア・アースライト
第15話救世国へ
あれから紆余曲折あり、俺は結局ネアの元に引き取られることになった。
ネアの首筋にキスマークを付けると、彼女は付け替えしてあげる、といろんなところにお返しされた。
マジで大変だったし隠せないところに多いのなんなん?
マジメな話をすると、俺の魔力線の修復は聖女であるネアが日々その力を使ってやる方がいいらしく、また温泉も効くらしい。
あとはルルーナなりのケジメだそうだ。
彼女も変わろうとしているようだ。
「ねえ、いっくん。気持ちいいですかぁ?」
頭上からおっとりとした綺麗な声が響く。
「うぅん……きもちいいぞ」
俺は今ヘッドマッサージをしてもらっている。
ネアの上に俺が乗るようなかたち、お腹に頭を預けている。
馬車の揺れも相まってめちゃくちゃ眠気を誘う。
あと、世界の聖女であるネアの白くて細い指を俺が独占しているのもなんとなく背徳感や優越感を感じる。
「すん、すん、すぅ〜〜〜……はぁぁぁ」
……なんでそんなに俺の匂い嗅ぐんだ?
臭い?もしかして臭いの?
「あ、あの……変な匂いとかしたりは……?」
「えっ!? ち、違いますぅ! そ、その……好きな人の良い香りを嗅ぎたくってぇ……」
「そ、そうなんだ」
メンタルに大ダメージを負うことに怯えながら尋ねると帰ってきたのは引いたらいいのか照れたらいいのかわからない答え。
お互いに気まずくなり、沈黙が場を包んだ。
「……他になにかしてほしいことはないですか〜?」
空気に耐えかねたのか、ネアが口を開く。
「うーん。解放?」
「だめですよ〜」
だめか。
「もっといろんなことお願いしてくれていいんですよ〜? いっくんのためでしたら、私えっちなことでも喜んでやりますのにぃ」
「そんなお願いしません。聖女に手を出したのがバレたら俺教会とファンになにされるかわかんないし」
「むぅ〜」
ネアはほっぺをぷくりと膨らませて、ヘッドマッサージを中断して俺の頭を抱きかかえる。
そして豊満な胸がむにっと、形を変える。
「ちょ、も、おい。それずるい……っ」
流石に俺もこれには慌てた。
ルルーナのようにちょっと変な子だと思えていれば冷静に乗り切れる自信がある……たぶん。
だが、聖母のような女の子の大きな胸を押しつけられたら、よくない!
「動いちゃ、め、ですよ〜」
手を使ってホールドを逃れようとするも、先手を打たれて足を俺を抱えるようにクロスさせ、俺の腕ごと拘束した。
「ちょっと……!」
「あん、あぁん♡」
「ネアさん!?」
それでも体をよじると、ネアがよくない声を上げる。
「……わかったよ、じっとしてる」
そういうと、ネアはほう、とため息をつくのだった。
もっといっくんが喜ぶことしてあげないといけませんね。
もっともっといっくんが楽になるように動き回って、いっくんが私のことを最高の女とか、お前以上はいないとか言ってくれたら……さいっっっこうです……♡
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