第3話 再婚相手

それから1ヶ月が過ぎ ――――1月中半



「魅香…もし、パパが再婚するとなったらどうする?」


「良いんじゃない?」

「えっ?」

「相手いるんでしょう?」

「いや……まあ……」


「隠さなくても良いよ。私、1回見掛けたんだ」

「えっ!?」

「女の人と腕組んで歩いている所。同じ人なら美人な女の人だよね」

「…魅香…」

「パパが幸せになるなら良いよ」





○丈田家



「母さん、再婚しないの?」

「えっ?」

「前に男の人と歩いてる所、見掛けたんたんだけど…彼氏?親密な関係な気がしたから…大人の付き合いしてるんでしょう?」


「そっくりさんとか?」

「あのなぁ~……俺が母親の顔間違える訳ないから」


「そう?」


「そうだし!俺に遠慮しなくて良いからさ幸せ掴みなよ。母さんが幸せなら良いから!」



「……瀏士……」







ある日の休日。


再婚相手と子供と会う事となり ――――




「すみません…家の息子、すぐに来るので」

「息子?」



「すみません…遅くなりました」

「もうっ!何してるの?」

「悪い悪い。あの、すみません…お待たせしました。息子の瀏士です」



「………………」



「「えっ?」」



二人同時の声。



「再婚相手ってさ……」

「同級生の子供いるのっ!?」



「………………」



「ちょっと待って…!…母さん……再婚相手の子供にクラスメイトいるって……マジヤバっしょ?」


「えっ?そうだったの?」


「いや……再婚はして良いけど一緒に住むのは無理!」


「ごめん……パパ…私も再婚は良いけど一緒に住むのは私も無理かな…?」




バツイチの再婚相手。


まさかの状況に驚いてしまった。



その日の夜。



「パパ、再婚はしても良いけど……私と丈田君……相手の息子さんとの同居は……」


「そうだな…」



その後、婚姻届けを出し形だけとなった。


私は愛し合っていて離れて過ごすのは?と思い丈田君に話をしてみる事にした。



「無理言うなよ。お互いの立場悪くなるし。クラスメイトと同居って……」


「……そう……だよね…ごめん……」


「じゃあ行くから」

「…うん…」




ある日の夜。


「転校!?」

「しばらくは、友達の所から通うから。だから…パパは一緒に住んで良いから」

「魅香…」

「愛し合っているのに離れて暮らすのは良くないよ」


「でもな…」

「大丈夫!ねっ!パパ。私の我が儘で無理言ってごめん……」




私は転校する決意をした。



春休み前、丈田君に話す。



「転校!?ちょっと待てよ!何もそこまで……」


「同じ学校に行かなきゃ良い訳だし。クラスメイトになるのも免れる。しばらくは友達の所から通うから、パパの事、お願いします」



去り始める私。



「待てよ!」



グイッと腕を掴み引き止めた。


ドキッ




「友達の所から通うって……高校、何処に行く予定なんだよ?」


「高校?あー、こっちの高校に通う前に行くはずだった○○高校だよ」


「……○○?だったら家から通えば良い?」

「えっ?いや……でも…同居は……」

「友達の所から通って何かあったら迷惑になるから。それに、家から通った方が近い」


「えっ?」


「何なら近道も教えてやるよ。俺の庭みたいなもんだし」


「でも…」


「お前の父親の子供は、お前一人。男一人で育ててきたんだから離れるな。淋しい思いさせるなよ。父親の傍にいてやれよ。俺の母さんも女一人で俺を育ててきたんだ。良い気しないと思うし家族になったんだから心配させないでくんないかな?」


「丈田君……」


「なっ!」




ポンと頭をした。



ドキン



「女の子なんだから余り無理するなよ。お前、バイトもしてんだろう?」


「してるけど……」


「だったら尚更。一緒に住もう。別の高校行く事なるからって事で、むしが良すぎるかもしれないけど……母さんには話しておくから。お前の父親にも話しておきな」


「……分かった…」


































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