第2話 存在感、変化
転入して1ヶ月 ―――7月
その1ヶ月間に何度か告白されるが、全て断った。
男の子が嫌いとか苦手とかよりも、バイトつくしで恋だの愛だの所じゃないからだ。
そんなある日の休日。
「魅香!」
「あっ!奈津樹(なつき)っ!久しぶり~」
「久しぶり!いきなり転校で驚いたよ~」
「ゴメーン…それからバタバタで」
バイト先に現れた親友の
日耶麻 奈津樹(かやま なつき)。
バイト終わって会う約束をし私達は久しぶりの再会で話が弾んだ。
その日の帰り ―――
「尾田切じゃん!」
名字を呼ばれ振り返る視線の先には友達と出てくる丈田君の姿。
「あっ!」
「お前、こんな時間に何してんの?」
「久しぶりに友達と会った帰り。話が弾んじゃって」
「そうなんだ」
「うん」
私達は少し話をして別れた。
丈田 瀏士君。
誰にでも対等で、クラスの人気者だという事が分かった。
お調子者でチャラ系だけど、クラスのまとめ役で、クラスの存在感は大きいかもしれない。
それから数か月が過ぎ ―――
12月初め。
「ねえ、パパ。最近、どうかした?」
「えっ?」
「何か凄く楽しそうじゃない?」
「えっ?そうか?」
「恋でもしてるの?」
「おいおい、そんな年でもないぞ!」
「何、言ってんの?まだまだじゃん!再婚しちゃえば?私のパパだけど一人の男の人なんだし、パパが幸せになれるなら私は良いよ」
「…魅香…」
「彼女が出来たら言ってね♪」
○ 丈田家
「母さん、最近、色気づいてない?」
「えっ?そう?」
「何、何、男いんの?」
「いません!」
「またまた~。別に良いよ。恋の1つや2つ。再婚なんてどうよ?例え、俺の母親でも一人の女じゃん!」
「…瀏士…」
「で?どうなの?」
「いないです!」
「まあ、彼氏が出来たら言ってくれよな」
「だから瀏士っ!」
「さーて、片付け、片付け」
男も女も
恋をすれば変わるよね?
そして、クリスマス。
「クリスマスかぁ~。パパ仕事って言っていたけど……何かパパ、ソワソワしてたんだよね~。私はバイトなんだけど……怪しい…」
その日のバイトを終え、帰っている途中だった。
「あれ…?パパ…?…女の人…なんだやっぱり彼女いるんじゃん…あれは絶対親密な関係…」
パパは、美人な女の人を連れていた。
女の人は、パパに腕を絡ませている。
「あれは…どう見ても…恋人同士だよね…」
私は後をつけようとしたが、帰る事にした。
いつか、パパが話してくれると思い ―――
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