第30話 考察


 デビットカードで支払いを済ませると歩いて10分くらいの所にあるラブホテルに向かった。


 ホテルのエントランスで部屋番号を選びボタンを押すと鍵が自動で出てくる。


 フロントとは顔を合わせないで済む仕組みになっている。



 ほとんど抱えるようにして凛を部屋に運ぶとキングサイズのベッドに寝かせる。


 凛はすぐに寝息を立てて寝てしまう。


 瞬は時間を持て余したが、100インチはあろうかという大型テレビを見始める。


 時間は9時15分。


 凛を起こしてしまわないように、音量はできるだけ絞ってテレビ画面を見つめる。


 魔女、おそらく夕凪 しずか。


 テレビ画面を見ながら考える。


 不老不死


 そんなことが有りうるのだろうか?


 あったとして、それはどのような魔術なのだろう?


 また、魔女が使える術というのは不老不死以外にもあるのだろうか?例えば呪詛、例えば祝福。


 そして、魔女は1人なのだろうか?


 魔女が複数いる可能性は?


 また、魔女以外のしもべが魔女を守っているような可能性は?


 防衛省や政府上層部は何のために魔女を追っているのだろうか?


 どこまで魔女を追いつめているのだろうか。


 あの地下通路も、既に探索は終わっているのかもしれない。


 そもそも、魔女は政府と敵対しているのだろうか?強い力を持っている者同士なら協力するということも考えられる。


 しかし、魔女が政府に協力するということは、魔術を伝授することで、それは自らを脅かすことにもなるのかもしれない。


 ラブホテルの部屋にあったビールを飲みながら瞬はそんなことを考えているうちに、いつの間にか眠ってしまった。

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