　数年前に失踪した父を探し、イタリア半島の南西部の小さな漁村を飛び出した僕は、幼なじみのアンドレアとともに陸路でポンペイ、ナポリへと歩いてやってきた。そしてナポリで探し回った結果、父はザヴァッティーニ商会のコルシカ事務所にいたらしいということを聞いたのだった。そこで僕たちはコルシカへ渡った。そこの商会を訪ねたところ、サルデーニャ島の事務所にジーノ・グロッシという男がいるから、そいつに聞けと言われたのだ。そうして今日僕たちは、この島にたどり着いたのだ。

(続く）