162日目の夕刊の小さなヒトコマのお話

※もうはちゃめちゃにネタバレしてるから、マジで読んでから見てね

女の子の日常的でうだっとした感覚と、間あいだに薄く挟まる死の影によって作られた少し奇妙で独特のテンポが魅力的!
表現も形式的な軽薄なモノではなく、内容に寄り添った納得のいく素晴らしいモノ。読み進めながら感嘆がよく漏れ出しました。(文鎮の比喩、最終的に家で亡くなる主人公を暗示してて良いわ~♡)
又、この作品における死の象徴達も主人公の周りにすごい上手く置かれている。序盤の部分で蝋燭の火に温かみを感じ、その火がラストでは死因となるビンビンの伏線は最高だし、リボン(=死)を持ち歩くという部分も👏
そして、そのリボンを渡す「赤子を手助ける強い老人」と「手助けられた弱い赤子」という「中途半端な主人公」との対比、題名にも通ずる無駄のない登場人物達!
洗練された簡潔な筆致で描かれ、最後のシーンの死の味が一層際立つ素敵な作品です☺