第42話結果
●結果
私の頬に傷がつき、私は三人を合格としました。
「ようやく合格かよ」
リヒトはため息をつきました。
ここ数日間ずっと私と戦ってばかりだったから、疲れがたまっているのでしょう。
「それにしても、強かった」
ゼタは、私の方を見ていました。
私は、曖昧に笑いました。
「歳の甲ですよ。私の場合は」
長く生きたゆえに、私は様々な技を知っていました。それだけのことです。
「技を知っているだけでつよくなるとは限りませんよ」
フィーネは、そういって微笑みます。
「長い間鍛錬を続けてきた。シナさんは、そういう強さの持ち主なんですね」
フィーネの言葉に、私は少し照れくさくなります。
私の隣で、マサネが震えていました。
「シナって、そんなに強い人なんだ」
「弱いです」
私は、マサネの言葉をすぐに否定しました。
マサネが、私が強いと勘違いしてしまっては困るのです。
「私は、マサネのごはんがなければ生きていけません。だから、私はマサネよりも弱いんです」
私の言葉に、マサネは眼を点にしていました。
「なんだ、その無茶苦茶な理論は」
やがてマサネは、くすくすと笑いだしました。
「そんなに、俺の飯が好きだったら今日は特別だ。いつもお前に作ってる飯は特別だけど、今日はもっと特別だ。腕によりをかけるからな」
マサネの言葉に、私は笑顔になりました。
「期待しています」
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