第22話いなくなった原因

●いなくなった原因

 マサネがいなくなった原因は、おおよそ分かりました。殺し屋に連れ去らわれたのです。おそらくは、殺しの練習台として。


 フィーネが「なぜ、それが分かるのか」という顔をしていました。


 私も一時期、殺し屋をやっていたからです。


「私も一時期、殺し屋をやっていたからです」


 もう足は洗いましたが。


「もう足は洗いましたが」


 私の告白にフィーネは驚いていました。


 無理もありません。


「やはり、マサネを助けには私一人でいきます」


「いいえ、私たちも行きます!」


 フィーネは引きませんでした。


「ダンジョンでシナさんは私たちを助けてくれました。だから、今度はシナさんを助けたいんです」


 フィーネはリヒトたちと合流し、今まであったことをすべて話ました。リヒトもゼタも、そのことに驚いていました。けれどもフィーネと同じ意見でした。

 

 マサネを助けるのを手伝う、と。


「あ……ありがとうございます」


 私は、どこかついていけないものを感じていました。若者のまっすぐさのようなものでしょうか。そういうものに、ついていけない気がしていたのです。


「そうと決まれば、マサネってやつがどこにいるかを調べないとな」

 

 リヒトの言葉に、私は場所には覚えがあることを伝えました。


 殺し屋の師匠が、変わっていなければ彼女は私の予想した場所にいるはずです。


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