第15話休息

●休息

 休息を兼ねた昼食。


 私たちは、床に座ってそれぞれ食料を並べました。リヒトたちは堅いパンと干し肉でした。いわゆる携帯食を言われる食料です。私は、マサネが作ってくれたサンドイッチです。


「可愛いお弁当ですね」


 フィーネは、私のお弁当を見てそういいました。


「はい、同居人が作ってくれたんです」


 私は、うれしくなってそう答えました。


「腹に何か入れたら……ちょっと落ち着いた」


 リヒトは、そう言いました。


「これ以上進むのは、今日は無理だ」


 リヒトはそう判断してくれました。


 ゼタは、その意見に不服そうでありました。


「また、明日がありますよ」


 私は、そう言いました。


 また明日頑張ればいいんです。


 そう言って、私たちは帰ろうとしました


 ですが、次の瞬間に人間でさえ一飲みにできそうなほどに巨大なヘビが現れました。


 足音には十分に注意していたつもりでした。ですが、ヘビは移動の際に足音をたてません。ですから、近づいてくるまで気が付くのが遅れました。


「リヒト!」


 巨大なヘビは動くだけで脆くなったダンジョンの壁を破壊します。フィーネはヘビに向かって魔法を打とうとしましたが、私が辞めさせました。ヘビは移動しているだけで、敵対する意思がありませんでした。このままやり過ごせればいいのですが。


「ゼタ!」


 ところが、リヒトとゼタが攻撃を始めてしまいました。


 ヘビがうねり、その巨体がダンジョンの脆くなっていた壁や床を壊します。私はフィーネと共に下がろうとしました。ですが、ダンジョンの崩落のほうが早かったのです。


「しまっ!!」


 私とフィーネは、ヘビと共に下層へと落ちていきます。

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