第110話 武具新調
超硬鉱を素材にした武具が完成した。
・ニーナソード弐式:片手剣。最上大業物。超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としており、壱式と比べて、攻撃力、強度が大幅に上昇。稀少度レア
「ん、すごい。スパスパ斬れる」
ニーナソード弐式を手にしたファンが、クラン本部の壁で試し切りをしている。
こら、やめなさい。
「これは、刀か……?」
「はいなのです! 刀華さん用にジェパール式の剣を打ってみたのです!」
・叢雲刀:最上大業物。超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としたジェパール式の剣。稀少度レア
刀華はファンにならって壁を斬り付けた。
「うむ。素晴らしい斬れ味だ」
「おい、壁で試すなって」
・ニーナガントレットA型:アマゾネス専用の籠手。超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としている。稀少度レア
・ニーナブーツA型:アマゾネス専用の戦闘靴。超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としている。稀少度レア
「すごい、今までのよりずっとしっくりくるわ」
「アマゾネス専用にしたのです!」
「殴っても全然拳に衝撃がこないわね」
「だから壁をサンドバッグにするな!」
どいつもこいつも……。
まぁ〈土魔法〉を使えばすぐに修繕できるのだが。
「ルノアのナイフも新しくなったの」
・ニーナナイフ弐式:ナイフ。超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としている。稀少度レア
ルノアは魔法が主体なので、ナイフはもしものときのための護身用だ。
もっとも、実際には使い慣れてないナイフを使うより転移魔法で逃げた方がいいだろうが。
それでも殺傷力の高いナイフを持っているだけで、幾らか安心な気持ちになる。要は気持ちの問題だ。
・刹竜剣レッドキール・改:両手剣。最上大業物。ドラゴンをも殺すことができる剣。ドラゴンへのダメージ増大。火属性。稀少度レア
・刹竜剣ヴィーブル・改:両手剣。最上大業物。ドラゴンをも殺すことができる剣。ドラゴンへのダメージ増大。氷属性。稀少度レア
「おおっ、刹竜剣が改良版になってる?」
「アダマンタイトを使って作り直したのです! と言っても、完全な一からではなく、元の素材を活かした〝錬成〟と呼ばれる手法なのです!」
名剣の類いに魂が宿り、戦いの歴史を記憶していると言われている。
そのため新たな剣を打つとき、古い剣の一部を素材として再利用するというやり方を取ったりするそうだ。その方がより強力な武器になるのだという。
「精霊剣も同じように再利用してみたのです!」
「ん」
・精霊剣シルフィード・改:片手剣。風の精霊の加護を受けた剣。敏捷値上昇。稀少度レア
ファンのもう一本の剣、精霊剣シルフィードも同じように生まれ変わっていた。
「みなさん、羨ましいですね」
「ディアナ様は、ごめんなさいなのです……。その剣以上のものはまだニーナには打てないのです……」
「ディアナのはオリハルコン製だしな」
初代国王ジークラウス=シルステルが使ったとされる、稀少度レジェンダリーの剣だ。せめてオリハルコンが手に入らなければ、同レベルの武器は作れないだろう。
防具の方も新しくなった。
・ニーナアーマー弐式:超級鍛冶師ニーナ作。アダマンタイトを基本素材としており、壱式と比べて、防御力、強度が大幅に上昇。稀少度レア
それぞれの体型や戦い方に合せて作ってくれている。
また、アラクネの糸で織った防具もできあがっていた。
・アラクネウール:超級織匠アンネ作。インナー、ローブ、道着など、形状は様々で、炎熱、寒冷、魔法等への高い耐性を有する。
俺とファン、ディアナは鎧の中に着込めるインナーを、ルノアにはローブを、アンジュと刀華には道着を、それぞれ織ってもらっていた。
装備についてまとめると、
レイジ
装備:刹竜剣レッドキール・改
装備:刹竜剣ヴィーブル・改
装備:ニーナアーマー弐式(軽)
装備:アラクネウール(インナー)
ファン
装備:精霊剣シルフィード・改
装備:ニーナソード弐式
装備:ニーナアーマー弐式(軽)
装備:アラクネウール(インナー)
ルノア
装備:ニーナナイフ弐式
装備:アラクネウール(ローブ)
アンジュ
装備:ニーナガントレットA型
装備:ニーナブーツA型
装備:アラクネウール(道着)
刀華
装備:叢雲刀
装備:アラクネウール(道着)
ディアナ
装備:ジークラウスの剣
装備:ニーナアーマー弐式(軽)
装備:アラクネウール(インナー)
ちなみにドラゴンたちにも武具の装備を勧めてみたが、嫌がられた。
「武器はともかく、防具は元の姿に戻った際に破壊されるじゃろ」
「それもそうか」
人化した際に着ている服(っぽいもの)は、どうやら彼らの身体の一部らしく、元に戻っても壊れたりはしないのだとか。
装備を一新した俺たちは再び奈落へ。
前回よりもさらに深い領域へと足を踏み入れた。
そして探索を進めながら分かってきたのは、そもそも魔物のレベルのアベレージが高いダンジョンだというのに、さらに超高レベルの魔物が存在しているということだ。
その強さは、シルステルの『九竜の潜窟』で遭遇したボスモンスターたちをも大きく凌駕する。
「ん、強そう」
「あれはどう見ても強敵ですね……」
ナイトメアアフール
レベル:83
スキル:〈吸血+10〉〈超音波+8〉〈噛み付き+8〉〈暗視+4〉〈翼飛行+10〉〈統率+8〉〈気配察知+4〉
通常のアフールでさえ人間の女性くらいの大きさはあるというのに、こいつはゆうにその数十倍。二、三十メートルはあろうかという巨大蝙蝠だった。
天井にぶら下がり、眠っているのか、翼を畳んで微動だにしない。
その周囲を大量のアフールたちが主を護るかのように飛び回っていた。
ざっと百匹はいるだろうか。
その中にはアフールの最上位種とされているキングアフールも何体か交じっている。
キングアフール
レベル:55
スキル:〈吸血+6〉〈超音波+4〉〈噛み付き+4〉〈暗視+4〉〈翼飛行+8〉〈統率+4〉〈気配察知+4〉
つまりナイトメアアフールは、キングアフールすらも従えているようなのだ。
ナイトメアアフール一体だけならまだしも、この群れをこの人数で相手するのはなかなかリスクが高そうだ。
ナイトメアアフールが眠っている今なら、戦わずに逃げることも可能だろう。
迷う俺だったが、
「くくくっ! なかなかの強敵じゃ! あやつはわれの獲物じゃぞ!」
「あっ、おいこら」
レヴィが勝手にドラゴン化してナイトメアアフールに突っ込んでいった。
この戦闘馬鹿が……っ!
当然、眠っていたナイトメアアフールが目を覚ます。
仕方ないので俺たちも参戦するしかない。
〈超音波〉によってこちらの平衡感覚を狂わせてくる攻撃や、キングアフールが際限なく仲間を呼んで次々とアフールの数が増えていくのがとにかく厄介だった。
だが一時間近い激戦を経て、どうにか全滅させることができた。
ナイトメアアフール以外にも、超高レベルの魔物に遭遇した。
例えば、
アラクネクイーン
レベル:86
スキル:〈蜘蛛糸+10〉〈毒爪+10〉〈俊敏+8〉〈隠密+6〉〈統率+8〉〈魔力探知+8〉〈暗視+6〉〈気配察知+5〉
アラクネを従えるアラクネの女王とか、
ヘルソードビートル
レベル:81
スキル:〈剣技+7〉〈突進+10〉〈闘気+6〉〈頑丈+9〉〈怪力+5〉〈翼飛行+8〉〈物攻耐性+7〉〈魔法耐性+5〉〈毒耐性+5〉〈統率+8〉〈暗視+2〉〈気配察知+4〉
闘気を帯びた角を、一流の剣士のように巧みに振り回してくる超巨大カブトムシとか、
サルード 43歳
種族:人間族(ヒューマン)
レベル:89
スキル:〈剣技+8〉〈体技+6〉〈火魔法+2〉〈水魔法+1〉〈飛刃+5〉〈隠密+2〉〈怪力+7〉〈動体視力+5〉〈俊敏+4〉〈柔軟+5〉〈回避+6〉〈持久力+6〉〈自然治癒力+5〉〈頑丈+7〉〈集中力+4〉〈闘気+7〉〈勇敢+6〉〈気配察知+4〉〈第六感+3〉〈魔力探知+3〉〈毒耐性+6〉〈料理+4〉〈暗視+3〉
称号:Sランク冒険者
筋肉ムキムキのゴリラのモンスターとか。
……ん?
ちょっと待て。
こいつは人間だ。
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