資料5 第5節
正礼暦二一一年○月○日
エイダ・プラウス記
クレイグが拠点にしていたガーデリーで情報を集めたく思い、休暇申請を行ったが受理されなかった。往復二週間と調査に一週間。それだけ長期になると簡単に認めてもらえないか。ただ、前向きに検討するとの言葉をいただいた。偽りではないと信じて準備だけはしておこう。
休暇として行くなら祭服ではなく旅人らしい服を用意しないと。旅をするならどんな服が適しているのだろう? つば広帽とコート? 絶対にお断りだわ!
【土地/時期】
時期、土地、ともに不明。
手がかりになる情報が何もない。これまでは他の節との関連性が少なからずあったが、今回は結び付けられそうな情報が一切ない。完全にお手上げ。
今までが順調だっただけに徒労感が大きい。
【人物】
・ギル
クリスタの祖母と絵を描いてもらう。そして長い年月が経ったというのに、クリスタから見たギルは絵と同じ姿だった。本当に歳をとらないの? 今までもそれらしい内容がうかがえたが、これにより真実味が増した気がした。ありえない。しかし頭ごなしに切り捨てるのは愚か者のやる事だ。私はそうではない。しっかりと検証して否定しよう。
・カール
男性。クリスタの家で働く使用人の子。子供なのに命がけでクリスタを守った。自分より大きく、武器を持った三人の男に。彼こそ真の騎士に相応しいわ。
他には、ギルが言っていた『勇者』が気になる。私が知る限り、そんな言葉は存在しない。司祭様に尋ねたがわからないとの事。どうやら調べようとはしたらしい。司祭様が諦めた? 知識を得る為には手段を選ばない司祭様が? もしかすると、■■■■■■■■(塗りつぶされている為、解読できず)
・クリスタ
女性。名家の娘? 家名がわかれば調べられるのに。誘拐されかけたという事は、それなりに権力か財力を持っていた証に他ならない。
カールへの態度が冷たく見えたけど、愛情の裏返しってやつね。間違いないわ。
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