資料1 第1節

  正礼暦二一一年○月○日

  エイダ・プラウス記


 全く異なる年代の事象を書かれているかと思いきや、各節毎につながりがあると判明した。その為、情報を整理する必要があると判断。読み進める都度、加筆修正を行う。

 とりあえず人物から着手。同名別人はいないと仮定する。


 そもそも、同名別人がいたらどうやって判別するの! 大体、時系列も土地も―――――(以降、書き殴られている為、解読できず)



【土地/時期】

 時期、土地、共に不明。

 サムとギルが参加した戦争が、どの戦争か判明さえすれば、手掛かりになるのに。


【人物】

・ギル

 男性。つば広帽とコート姿。以上。特徴なさすぎ。ギルとサムの剣、及び短剣の柄頭には金床とユリの花が刻まれている。何かの手掛かりになる? 別途、調査を進める。


・ビリー

 男性。ただの木こり。

 十代半ばから後半と推測。戦士になりたがっている。殺し合いがしたい? 馬鹿かしら。真っ直ぐな性格には好感が持てる。でも馬鹿。


・ソニア

 女性。猟師の娘。ビリーの幼なじみ。

 のんびりとしてそうだが言動は的確。この娘、侮れないわ。


・サム

 男性。隠居老人。元戦士。ビリーの祖父。

 妻の希望を聞き入れて村に帰る。なんて良い夫なの! ではなくて、辞められるという事は正規兵ではなく傭兵ようへい

 命のやり取りをしてただけあって、言う事が一々重い。ビリーも大変ね。


・ホリー

 女性。サムの配偶者。第1節時で故人。

 村への旅半ばでオオカミの群れに襲われて亡くなった。サム、ギルと共に戦場にいた。サムを追いかけて戦場に立つなんて一途。そこまで想えるなんて少し羨ましい。

 ホリーが好きだと言っていた景色は私も見たい。その為にも解析をする必要がある。絶対に!

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