第3話ちょっと、イカ臭いわよ!


 「ん~、起きないと酷い事しちゃうぞ~」

 (*´з`)♪



 晴仁ったら何度起こしても起きないんだもん!

 このままじゃ学校に遅れちゃうよ?


 あたしは晴仁のベッドに乗り上げ弟を揺らす。

 もう、何時まで経っても子供なんだから!


 「う~ん、お姉ちゃん重いよぉ~、 起きるよぉ~」



 だ、誰が重いですってぇっ!!

 そ、そりゃあ最近体重ちょっと増えたけど女の子に向かって重いって何よ!?



 「晴仁! 誰が重いですってぇっ!?」

 (♯・д・)



 怒り心頭で晴仁の布団を引っぺがす。

 そしてぎょっとする。


  △  Σ(・ω・ノ)ノ!

 

 テ、テント貼ってるぅっ!?

 うそ、中学生でもそうなの!?


 え、えっ、ええぇぇぇぇっ!!



 「うーん。お姉ちゃん起きるから~」


 あたしはあまりの事に掛け布団を持ったまま呆然と立ち尽くす。

 でも晴仁はぼぉ~っとしたままふらふらと立ち上がって寝間着を脱ぎ始めた。



 「わわわわわっ!! だめっ! 私たちにはまだ早いわっ!! まだ心の準備が出来てないぃっ!!」

 (≧◇≦)・゜・。)))



 あたしは思わず晴仁の部屋から逃げ出したのだった。



 * * * * *



 「ううっ、もう晴仁ってば帰ってるよね? どうしよう、どんな顔して会えばいいんだろう?」

 (;´・ω・)


 家に帰って来て玄関を見れば晴仁の靴がある。

 もう帰ってきているんだ。

 あたしはおずおずとリビングへ向かう。



 「た、ただいまぁ~」

 (;^ω^)


 「お姉ちゃんおかえり~!」


 リビングでは晴仁がいつも通りにソファーに座りながらテレビゲームをやっている。


 う、うーん、本人は気づいていないのかな?

 あたしは何となく晴仁の周りをうろうろすると‥‥‥



 すんすん



 あれ?

 なんかイカ臭い?

 それとちょっと酸っぱい匂いもする??



 ま、まさか、晴仁ってば家に誰もいなかったのを良い事にそんな事しちゃったの!?

 もうお年頃なの!?

 ・゜・。(≧◇≦)・゜・。



 「あ、そうだお姉ちゃんもこれ食べる?」


 そう言って晴仁がテーブルを指さす。

 するとそこには駄菓子の酢イカが‥‥‥



 「はうっ!」

 \(₌・'o'・₌)/

 


 一人驚いたあたしが馬鹿だった。

 そんなあたしに気付かず晴仁は酢イカに何かつけて食べている?


 「晴仁、何それ?」

 (・ω・)?


 「ああ、これね? マヨネーズだよ。マヨネーズちょっとつけて酢イカ食べると美味しんだ」


 そう言ってまた一つまみ取ってマヨネーズをつけてあたしの口元へよこす。

 一瞬ためらったけど口を開いて入れてもらうと‥‥‥



 「なにこれっ! 酸味が和らいでまろやかで美味しい!!」

 (≧◇≦)♪



 「良いでしょ? こうして食べると美味しいんだよね~」


 晴仁はそう言いながら又ゲームに戻っていく。

 全くこの弟は。




 あたしはソファーに乗り出してその向こうにあるテーブルの上の酢イカに手を伸ばすのだった。

 

  

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