お正月。シオンの失態

お正月にて、みんなでおせちを食べていた。

「この数の子うんまいなぁ・・・」

シオンは数の子を頬張りながら必死に食べていた。

ありさはそんなシオンを見ながら、黒豆を頬張っていた。

「ありさもシオンのそんなに頬張っていると、喉につまらせるわよ」

母親が優しい声で2人に注意するとシオンがむせ込み始めた。


「ゴホッゴホッ!水!飲み物おおおおおおおお」

シオンは叫びながら近くにあった飲み物を飲んだ。


「あっ!シオン!それお酒!!!」

ありさが声をかけた時には既に顔を赤くして出来上がっていた。


「ありさー!今日もかわいいなぁ~!!!」

シオンはありさに抱きつきながら、可愛い可愛いと頭を撫でている。

ありさはそんなシオンに呆れていた。

「もう!シオンの近くにお酒置いたのお父さんでしょ?まだ未成年なんだよ!?」

ありさは父親に注意すると父親は両手を上げながら

「不可抗力だ!まさかシオンが飲むなんて思わなかったんだ!」

と言って首を横に降っていた。


「ありさはどうしてこんなにかわいいんだぁ~!!!」

シオンは相変わらずありさに抱きついて可愛いを連呼している。

もうネタでしかない。

ありさはシオンに対して適当にあしらいながら、おせちを食べ始めた。



そして数分経つとシオンはありさの膝で寝てしまった。

「あら、シオンったら」

母親が呑気に笑っているとありさは少し怒りながら文句を言った。

「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないよ!シオンが二日酔いになったらどうするのよ!」

母親はありさの言葉を聞いてまた笑いながら呑気に

「大丈夫よ!うちの家系みんなお酒強いから!」

と言ってキッチンに向かっていった。

そしてありさは膝で眠るシオンを見ながら「起こさないで寝かせておこう」と心の中で決めて本を読んで起きるのを待った。



数時間後

「う・・・ん。あれ・・・」

シオンが目を覚ますと頭に柔らかい感触がしてふと見上げた。

するとありさがソファーに身を寄せながら眠っていた。

シオンはこの光景に驚いて身を上げるも、頭の痛みで起き上がることが出来なかった。

「いたた・・・なんでこんなところで寝てるんだ・・・?」

シオンは痛い頭を無理やり回転させて、思い出そうとしていた。


その時ありさが目覚めた。

「んん・・・あれ、シオン起きたの?おはよう」

ありさはそう言いながら背伸びをして肩を慣らしていた。

「なぁありさ、俺なにも覚えていないんだけど、なんでここで寝てたの?」

ありさにそう言うとありさはびっくりした顔をして驚いていた。

「え!シオン覚えてないの?」

そう言ってことの顛末を事細かに説明した。

するとシオンは頭に手を当てながら

「ごめん・・・迷惑かけた・・・」

とありさに謝った。

ありさは少し笑いながら

「面白いシオンが見れたから良いよ」

と声をかけて立ち上がった。

「さて、シオンも起きたことだし、お風呂入って寝よっと!」

そう言ってありさは浴室に向かっていった。


シオンはその後、部屋に戻って自分の失敗を反省していた。

「俺はなんてことをしてしまったんだ。ありさに好きだとか言ってないよな・・・?」

そんなことを考えながら頭を抱えていると、ありさが部屋に戻る音が聞こえた。

そして考えててもしょうがないと、お風呂に入り、再び眠りにつくのでした。

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