新年の挨拶からの初詣

「あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」

年が明けたと同時に2人は親の前で正座して頭を下げる。

そして新年の挨拶を言うのが毎年の恒例行事なのだ。


新年の挨拶が終わり、家族みんなで年越しそばを食べる。

毎年、わかめや揚げ玉の入った質素なそばなのだが、今年はひと味違った。


なんと・・・揚げ物がそばに入っているではありませんか。

その光景にシオンとありさはびっくりして2人声を揃えて

「今年はどうしたの?これ、最後の晩餐?」など母親に質問攻撃をした。


「なに新年早々、縁起でもないこと言ってるのよ。たまには豪華にしないと飽きちゃうでしょ!」

そう母親が説明すると、2人は察した。

「あ・・・飽きたんだ」

そう心の中で思いながら、なにも言わずそばを食べ始めた。


そばを食べ終わり、テレビを見てくつろいでいた時、母親が初詣に行かないのか聞いてきた。

「2人で初詣に言ってくれば良いのに。神社でお参りしてきなさい」

シオンとありさは身支度をして初詣に向かった。


近所の神社に着くと、中は人でいっぱいだった。

「やっぱりみんな初詣来てるんだねぇ」

ありさがシオンに話しかけるとシオンは

「そうだね、はぐれないようにちゃんと付いてきてね」

と言ってありさの手を握って前を歩きだした。

ありさは「もう子供じゃないから大丈夫だよ」といったが、シオンはどんどん前を歩いて行くため、ありさは諦めてシオンに引かれるように歩いていった。


そして列に並び、順番が来るまで話をしながら自分たちの番になるのを待った。

そうこうしているうちに自分たちの番になり、お賽銭箱に十分にご縁がありますようにと願いを込めて15円を入れた。

そして、2礼2拍手1礼をしてお願い事をした。

シオンはすぐに頭を上げたが、ありさがなかなか頭を挙げない。

「またながーい願い事してるよ」

とシオンは思いながら、ありさの願い事が終わるのを待った。

少ししてありさも頭を上げたため2人はその場を離れた。


そして甘酒を買って飲みながら休憩している時、シオンがありさに質問をした。

「さっきすごい長く願い事してたけど、なにお願いしてたの?」

するとありさはニヤニヤしながら

「願い事は人に喋っちゃうと効果がなくなっちゃうから内緒!」

と言って教えてくれなかった。

「そんなシオンはなにお願いしたのさ」

ありさから質問されてシオンは

「え?ありさが言わないから俺も内緒」

そう言って教えなかった。


まぁ、ありさと両思いになれますように。ってお願いしたから、口が裂けても言わないけどね。


シオンはそう思いながら甘酒を飲み干して

「さて、家に帰りますか」

と言ってありさと家に帰るのでした。


ありさは話をそらされたとむくれていたが、甘酒を飲むと機嫌が直り、ルンルンで家に帰るのでした。

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