ありさの怒り

シオンとの何気ない会話にて

「ねぇ、シオン。そういえばおじいちゃんって、余命もう少しだよね?もう一回会いに行きたいなぁ」

「あぁ、あれ嘘で今も縁側でお茶飲んでるって」

・・・・・・・はぁ!?!?!?

私はびっくりして思わず

「人の不幸を冗談に使ったらだめでしょ。何考えてんの!?」

とシオンの胸ぐらを掴みながらそう言った。

シオンは私の手を掴みながら

「俺に言うな。俺だって聞かされた時驚いたんだから。」

シオンがそう答えるとありさは

「てか、なんでシオンが知ってるの!?」

と、シオンに聞いた。そしてシオンは

「だって俺、おじいさんとメル友だもん」

とありさににやけながら言ってありさの手を胸ぐらから離した。

ありさはシオンの言葉を聞いて信じられないといった顔をして、固まっている。


「それにこれ考えたのはおばあさんのほう。ありさに会う口実を考えた結果があれらしいよ。」

その言葉を聞いたありさは怒りに満ちた顔になり

「なんてこと・・・。勝手におじいちゃんを使って・・・許せない・・・。」

「一度は好きになりたいと思った私が馬鹿だった。もう絶対に許さない。」

ありさはそう言うと拳を握りしめて、怒った顔をしている。


シオンはと言うと、心の中で

「ありさを本気で怒らせてはいけないな。」

と苦笑いするしかなかった。

そして、ありさはシオンに

「おじいちゃんに近いうちそっちに行くとメールしといて」

と命令して自分の部屋に戻っていった。


残されたシオンはやれやれと困った顔をして祖父にメールを打つのであった。

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