いつもと変わらない日常

今日のシオンはなんかおかしい。何がどうおかしいかって言うと

「なぁ、ありさ。今日ってなんか面白いテレビやるっけ?」

「ありさー、今日の飯なんだろなー」

「ありさー、どっか行こー」


あ、そうか。言葉遣いがいつもと違う。

「シオン、熱でもあるの?体調悪くない?」

「大丈夫だよ。なんで?」

「いや、なんとなく・・・。」

・・・聞けるわけがない!!!

急に言葉遣いが変わって不審に思ってるなんて、言えるはずがない!!!

それに、両親に聞いても不審に思ってる感じがしない・・・。

なにかがおかしい・・・。

そう思いながら頭を抱えて悩むのでした。




ありさの誕生日以降、俺は覚悟を決めて言葉遣いを偽るのをやめた。

理由は2つある。

1つは偽るのに疲れたこと。

もう1つはありさも誕生日を迎えたことだし、俺も覚悟を決めることにした。


だが、しかし。言葉遣いを変えてからというもの。

「お母さん!シオンがなんか変!なんか知らない!?」

「あら?いつもどおりじゃない?」

ありさの反応が面白くてつい笑ってしまう。

俺は、ありさがいない時に両親には、この言葉遣いで接してたから、両親は疑うことがない。

ほんとありさは面白いなぁ。



最近シオンの言葉遣いが変わってから、数日が経過した。

私も最近は気にならなくなり、だいぶ慣れてきた。

「シオン、今日出かけるって言ってなかったっけ?」

「友達から用事が出来たとかで、予定なくなった。」

「そうなんだ。」

私はそう言って飲み物を取りにキッチンへ向かうと、シオンが来て飲み物を取りに来た。

「俺も飲む。ついでに入れて」

そう言ってコップを差し出された。

私はシオンのコップにも飲み物を入れて私は自分のコップを持ちソファーに座った。

「そういえばシオンって彼女作らないの?」

「んんー、作らないかな。今はまだ作る気ないし」

そうなのか。シオンも高校生になったし彼女くらい作ればいいのになぁ。

年頃の男の子なのに恋しなくて大丈夫なのかな?

私は心配になったが、いつ恋するかはシオンの自由だから、気にしないことにした。



最近ありさが彼女作らないのかと心配をしてくる・・・。

俺はもちろんありさが好きなのだが、まだ伝える気ないし。

後に女を紹介するとか言い始めるかもしれないし、先に先手を打ったのは正解だったかな。

それにしても、急に心配してくるなんて、逆にどうしたんだろうか。

俺は気になったが、気になったところで聞いて墓穴掘っても嫌だし、ほっとくことにした。


それからは聞かれなくなったし、まぁ良しとするか。

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