ありさと誕生日デート〜遊園地編〜

「ありさ起きて。今日は一緒に出かけるって約束したでしょ」

「うーん。あと5分・・・」


今日はありさとお出かけする日

俺は楽しみで早く起きてしまい、先に支度を済ませていた。


「ありさが起きてこない。おかしいな・・・。」

俺はありさの部屋に向かった。

「ありさ?部屋に入るよ・・・・寝てるし」

俺はありさに声かけたが、寝ていて起きる気配がない。

さぁ・・・どうしようか。


俺は少し考えた後、ありの耳元で声をかけた。

「ねぇありさ。確か冷蔵庫にプリンあったよね?ありさが起きないなら食べちゃおうかな?」

するとありさが勢いよく起き上がって

「だめ!起きるから食べないで!!!」

俺は計画通りと言わんばかりにニヤニヤしながらありさを見て

「ほら、早く支度して。置いていっちゃうよ。」

と声をかけた。


ありさが支度を終えて玄関に行くとシオンが先に玄関にいた。

「支度出来た?じゃあ行くか」

シオンはそう言ってありさと外に出た。

「今日どこに行くか聞いてないけど、どこに行くの?」

「ん~?内緒」

俺は笑顔でありさに言うと、駅に向かって歩きはじめた。



駅に着いて電車に揺られること1時間。

到着したその場所は・・・。

「遊園地だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ありさがそう叫び騒いでいる。

俺はそんなありさを見て、思わず笑ってしまった。

「シオンなんで教えてくれなかったの!?」

「言ったらサプライズにならないじゃん。」

そう、今日はありさの誕生日。

この日のために内緒で計画していたのだ。


ありさが喜んでくれたことだし、中に入っていっぱい楽しみますか!

「ほら、ありさ。中にはいるよ。」

俺はそう言うとありさの手を握って入り口まで歩いていった。


入り口に入ると、そこは夢の国みたいにキラキラと輝いている。

「シオン!あれ乗りたい!」

ありさが指差したのはジェットコースター。

「いきなり?最初から激しいの乗ると後が持たなくなるよ?」

俺がそう言うとありさは

「大丈夫!ほら!早く!」

そう言ってジェットコースター乗り場まで歩いていってしまった。

やれやれ、世話の焼けるお姫様だ。

俺はそう思いながらありさの後を追った。


「ふう、たのしかったー!」

ありさはそう言うと椅子に座り、手足を伸ばしている。

「ありさが喜んでくれてるなら良かったよ」

俺はそう言いながら飲み物を渡し、自分の飲み物を一口飲んだ。

「シオンがこんなサプライズしてくれるなんて意外だよ。今までこんなことしてくれなかったじゃん。」

ありさにそう言われて

「だって弟の僕がこんなサプライズしたら気持ち悪いだろ?」

と答えた。するとありさが

「ふーん。じゃあシオンの気まぐれってことかぁ。」

そう答えてむくれてしまった。

「もういいだろ。なんか食べ物買ってくるよ」

俺は逃げるように食べ物を買いに行った。


食べ物を買ってありさの所に戻ると、知らない男2人にありさが絡まれていた。

「ねぇお姉ちゃん。少しでいいから一緒に遊ぼうよ~」

「結構です。連れと一緒に来てるんで。」

ありさは冷たい表情しながら男に言い放っていた。

「そんな冷たいこと言わずにさ、何ならその連れも一緒に遊ぼうよ~」

「しつこいなぁ。行かないって言ってんでしょ。あまりしつこいと大声出すわよ?」

ありさがそう言うと俺に気づいたのか、笑顔で

「シオン!遅いから探しに行こうかと思ったわよ!」

と言って俺の腕にしがみついた。


俺はありさに

「ごめんごめん。少し混んでて並んでたんだ。ほら、これあげるから許して」

そう言って買ってきたフランクフルトをありさに食べさせた。

そして俺は男たちに近寄り、満面の笑みで一言。

「俺のありさに手出さないでくれる?」

すると男たちは

「あ?なめてんじゃねぇ」

と言いながら俺に殴りかかってきた。

俺はプチンと切れて殴りかかってきた拳を止め、関節締めを決めた。

「なめてるのはどっち?人の女にちょっかいかけてきて、キレたいのはこっちなんだけど」

男たちは騒ぎながら痛いだのごめんだの言ってくる。

俺が更に力を加えようとした時

「シオン、それぐらいで手を離してあげて」

とありさに言われた。

その言葉を聞いて俺は手を離し、ありさの所に向かった。

「ねぇ、シオンはこう見えて空手習ってるからあなた達より強いよ?」

そう、昔からありさは美人で可愛かったから、色んな男に話しかけられることが多かった。

だから俺はそんなありさを守るために、空手を習いありさを守ってきたのだ。


その言葉を聞いた男たちは舌打ちをして去っていった。

「シオン、助けてくれるのはありがたいけど、やりすぎはよくないよ。」

ありさにそう言われた俺は落ち込みながら「ごめんなさい」と謝った。

「さ!散々なことがあったけど、まだ時間はあるし他のアトラクション乗りましょ!」

ありさが笑顔でそう言って俺の手を取り歩き始めた。

そして俺たちは夕方になるまで遊園地を楽しんだ。


思う存分遊園地で楽しんだ俺達は、帰る前に母さんたちにお土産を買って家に帰るのでした。

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