夏祭りデート
おじいちゃんとおばあちゃんちに行ってから数日後。
ありさの気持ちも落ち着いたが、せっかくの夏休みを楽しめないでいた。
そんなところへ、シオンがやってきて
「ありさ!お祭りに行こうよ!」
と誘ってきた。
夏休みに入ってからどこにも行ってないし、行こうかな・・・。
「うん。行こう。」
「じゃあ、16時に玄関に集合しよう!」
シオンはそう行って部屋に戻ってしまった。
今はまだ13時。集合時間までまだ時間あるし・・・去年着た浴衣着ようかな?
そう思ったありさはお母さんの所に行った。
「お母さん、シオンとお祭り行くから浴衣出してほしいんだけど、どこにある?」
「あら、どこに仕舞ったかしら。」
お母さんはそう言いながら浴衣を探しに行った。
私は一旦部屋に戻ってナチュラルにメイクをして部屋を出て、リビングに戻るとお母さんが探してきた着物を片手に着付けする気満々で立っていた。
「あ、ありさ。早くここに立って。お母さんが着付けしてあげる。」
私は自分で着付けすることができるが、せっかくだからお母さんに着付けしてもらうことにした。
「ありがとう」
そう言ってお母さんの前に立ち着付けしてもらう。
着付けの最中、お母さんが話しかけてきた。
「ねぇ、ありさ。私達が実の両親じゃないって知ってどう思った?」
「そりゃ、びっくりしたよ。でも私を育ててくれたのはお母さんたちだから、感謝してるよ。」
お母さんはその言葉を聞くと、目に涙をためて微笑みながら
「そう言ってくれて嬉しいわ。正直不安だったの。話を聞いて部屋に引きこもったり心を閉ざしてしまうんじゃないかって・・・。だからありがとう。」
お母さんはそう言うと着付けの続きを始めた。
着付けが終わると集合時間間近になっていた。
お母さんに着付けしてくれたお礼を言って急いで財布や携帯を取りに行った。
そして玄関に行くとシオンが既に待っててくれた。
シオンはびっくりした顔をしたあとに、頬を赤くして
「じゃあ行くか。」
と玄関のドアを開けた。
私が不思議に思っていると、お母さんが微笑ましそうに
「あら、シオンが照れてるわ。まだ可愛いところがあって嬉しいわ。」
なんてのんきなことを言って、いってらっしゃい。と私達を送り出した。
私も行ってきます。とお母さんに言ってシオンの後に外に出た。
私が外に出るとシオンが待っててくれた。
「待っててくれてありがとう。」
シオンにそう言うと、シオンは照れながら
「うん。じゃあ行こうか」
そう言って私の隣に来て、私に合わせるように歩いてくれた。
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