【続】夏祭りデート

夏祭りに向かう間はシオンと他愛もない会話をしていた。

「今日ありさが浴衣着てくるなんて思わなくてびっくりした」

その言葉を聞いて私は

「あれ?去年も着てたけど見てなかったっけ?」

「去年は一緒に行ってないし、僕友達と一緒に行ってたから見てないよ」

シオンの言葉を聞いて確かに・・・。と納得した。


「ほら、もう少しで着くよ。」

その言葉を聞いて私が前を向くと、お祭り会場が見えてきた。

「ありさ、かわいいよ。」

シオンがボソッと耳元でささやき、意地悪そうな顔で私を見て笑っていた。


その間私の顔が赤面して片手で顔を隠し、必死に照れ隠ししていた。

シオンがあんな意地悪するから悪いんだ。

姉の私にこんな意地悪して・・・。

そういえばシオンって彼女作らないのかな?なんて思ったけど、気にしないことにしてお祭り会場に向かった。


お祭り会場についてから私は興奮しまくりだった。

お好み焼きやたこ焼き、綿あめにりんご飴、射的に輪投げなどたくさん食べて遊んだ。

そして疲れた私は端に寄って少し休憩することにした。

「ほら、これ飲みな」

シオンはそう言って私に飲み物をくれた。

「ありがとう、ちょっと疲れちゃったみたい。」

「あんなにはしゃいでたら疲れるよ。もう少し休憩しよう」

シオンの優しさにはいつも助けられる。

私と血がつながらないと知っても変わらず接してくれるし、とても助かっていた。


しばらく休憩してからシオンが思い出したように

「これから花火があるんだ。見ていこうよ」

と目を輝かせて私に言った。

その顔を見て私は思わず笑ってしまい、シオンがほっぺを膨らませてふて腐れるような顔をした為

「そうだね、見ていこう」

と私は笑いながら答えた。

それから花火を見るための場所を確保して花火を見た。

とてもきれいで夢中で見てしまった。

シオンが花火ではなく私を見ていたことも知らずに・・・。


花火が終わり、帰ろうということになり帰宅する道中で

「お祭り楽しかったね。花火もきれいだったし来てよかった。シオン誘ってくれてありがとう」

とシオンにお礼を言って買ったりんご飴を指でくるくるしながら眺めていた。

「ありさが喜んでくれてよかったよ。」

と嬉しそうな顔で私を見ていた。

そして無事に家に到着するのでした。

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