話される悲しい事

おばあちゃんちに入って、居間に案内された。

そこは縁側があってそこでおじいちゃんがお茶を飲みながら日向ぼっこしていた。

「あら、お父さんそこにいたの?」

「おう、ここ気持ちいいんだよ。」

と二人で会話をしている。


「さて、そんなところで立ってないで座りな。」

おばあちゃんにそう言われてテーブルの前に座る。

そしてテーブルにお茶が置かれた。

「ほら、お父さん大事な話するからこっち来てくださいな。」

「おう。」

おじいちゃんがこっちに来て、テーブルの前に座った。


最初に話を切り出したのは父親の誠司だった。

「おじさんも久しぶりですね。お元気でしたか?」

「おう、誠ちゃんも元気そうじゃねぇか。」

そう言うとおじいちゃんは

「ありさも大きくなって、最後に元気な姿が見れてよかったよ。」

その言葉を聞いて、私は一人驚いていた。


「ありさにはまだ話してなかったな。おじいちゃんな、病気になってあと何年生きれるかわからないんだって。だから最後にありさに会わせてほしいって言われてな。だからありさに全部話したんだ。」

そう言われてありさはなにも言えなくなってしまった。


するとシオンが冷静に

「部外者がでしゃばる気無かったけど一言だけ、あの話し合いのときになんで余命のこと話さなかったの?何考えてたか知らないけど、今じゃなくてあの時話すべきだったんじゃない?」

と、私の代わりに言ってくれた。


シオンの質問に対してお父さんは

「ありさに変に心配されるのは嫌だからって口止めされてたんだ。すまん。」

そう答えるとおばあちゃんが

「お父さんの願いを叶えたくてね・・・無理言っちゃったんだ。ありさちゃんには迷惑かけたねぇ。」

そう困った顔をしながら涙ぐんでいた。


「さっ!暗い話しちゃったね。ひとまずこの話は終わりにしよう。お茶でも淹れようかね。」

おばあちゃんがそう言うと立ち上がりキッチンに向かった。


・・・なんか色々盛り上がって話が進んでるけど・・・

すでに話についていけてないんですけど・・・。

そう困惑するありさなのでした。



シオンside


ありさの祖父母の家に着いてから驚くことばかり続いた。

そしてありさの意思は無視して話を進めやがる。

ふと、ありさを見ると話についていけてないのか、困惑した顔をしている。

そらそうだ。勝手に話を進めて祖母は涙ぐんでるけど・・・。

事前に話してくれればこっちだって困惑すること無かったのに。


そう思いながら一人拳を握るシオンなのでした。

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