両親に報告。シオンの決意

次の日お父さんとお母さんに長期のお休みがある時におじいちゃんとおばあちゃんに会いに行くことを伝えた。

お父さんもお母さんも笑顔で承諾してくれた。

そして話し合いの結果、早いほうが良いだろうということで夏休みに会いに行くことが決まった。

当日はお父さんも一緒に来てくれると言ってくれた。

その夜、部屋に来たシオンに話すると

「その日僕も一緒に行く。」

と、一言。

「ついて来てくれるのは嬉しいし心強いけど、無理してついて来なくていいんだからね?」

と返すと、微笑みながら

「無理してる訳じゃない。ありさの事が心配だからついて行くんだよ。」

と私の頭を撫でて言いました。


ずっと私の後ろを着いて歩いていたシオンは、いつの間にこんなに男らしくなったのでしょう。

私が驚いていると、シオンは笑いながら

「そんな驚くことないでしょう。もう高校生だよ?僕だって成長ぐらいするよ。」

と言われて私は確かに・・・と思いながらもどこか少し寂しさを覚えたのは内緒。

「わかった。当日はよろしくね。」

そう笑顔で返すと

「まかせろ」

と笑顔を返して頭をぽんぽんされました。

これじゃ、どっちが年上かわからないよ。

なんて思いながら呆れるあかりなのでした。



シオンside


ありさが両親に報告する日。

無事に報告が出来たのか気になり、部屋に戻ったありさの元へ向かった。

部屋に入るとありさはベットに座っていた。

「どうしたの?無事に報告できた?」

そう聞いたらありさは

「報告出来たよ。夏休みに行ってくる。」

と元気なさそうに返事した。


「報告出来たならよかった。なんか元気ないけどどうした?」

そう言いながら向かいに座り、顔を覗き込んだ。

「いざ、会いに行くって決めたのはいいんだけど、初めて会うし緊張と不安が押し寄せてくるの。」

なんて可愛いやつなんだ。

抱きしめたい気持ちを堪えて

「その日僕も一緒に行く。」

そう声に出していた。後悔はしていない。


一緒に行くと聞いたありさは

「来てくれるのは嬉しいし心強いけど、無理してついて来なくていいんだからね?」

と心配そうに聞いてくる。

こんな時まで俺の心配するなんて・・・・。と俺は嬉しくなり、微笑みながら

「無理してる訳じゃない。ありさが心配だからついて行くんだよ。」

と頭を撫でながら言った。

するとありさは驚いた顔をして俺を見てくる。


さては、小さい時のこと思い出してこんなに成長して・・・とか思ってるな。

直感でそう思った俺はありさに

「そんなに驚くことないでしょう。もう高校生だよ?僕だって成長ぐらいするよ。」

と呆れるように言うとありさは寂しそうな顔をしたと思ったらすぐ笑顔になり

「わかった。当日はよろしくね。」

と言われた。

当日一緒に行く許可がおりて嬉しくて

「まかせろ」

と一言言ってありさの頭をぽんぽんとした。

あかりは呆れたような顔をしてたが、緊張がほぐれたみたいでよかった。

あかりが不安がってるなら俺が安心させてやる。

俺はどこにも行かないよ。

何があっても俺がありさを守るから。

そう心に誓った夜でした。


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