ありさの決断。公園デート
私が養子だと聞かされてからというもの。
食事も喉を通らないくらい追い詰められていた。
そんなある日の休日。
「ありさ、なにか食べないと栄養つかないよ?」
シオンに言われても食べる気が起きず、意気消沈していると
「よし!ありさお出かけしよう!家に引きこもってても良いことないし、いい気分転換になるよ」
シオンからそう言われ、お出かけすることにした。
久しぶりに外出たけど天気が良くて気持ちいいなぁ。
大きく深呼吸して空を見上げてシオンにどこに行くのか聞いた。
「シオン、どこへ行くの?」
「ん?内緒!ついて来て!」
そう言って私の手を握り前を歩くシオン。
どこに行くんだろう・・・。
私は手を引かれシオンについて行くと、見覚えのある公園の前に到着した。
公園かぁ・・・小学生のとき以来行ってないなぁ。
「母さんに公園に行くこと話したら弁当作ってくれた!」
無邪気な笑顔で弁当が入った袋を見せて来るシオンが面白くて笑顔になった。
「やっと笑ってくれた。あの話を聞いてから全然笑顔を見せてくれなくなったから、どうしたら笑ってくれるか考えたんだ。」
それで公園に連れてきてくれたのか・・・。
「ありがとう・・・。」
そう伝えると、照れたように笑い
「よし!ベンチに座ってお弁当を食べよっ!」
そう言ってまた私の手を引いてベンチに座った。
そしてお母さん特製お弁当を食べた。
公園という違う環境で食べたからか、シオンと一緒だったからか不思議とお弁当を食べることができた。
お弁当を食べてる間も他愛のない会話をしてくれたシオン。
もう困らせるわけにはいかない。
何かを決断したありさはシオンに
「ねぇシオン。私おじいちゃんとおばあちゃんに会いに行こうと思う。そしてお父さんとお母さんがどんな人だったか聞いてくる。」
その言葉を聞いたシオンは
「そっか・・・。わかった。いつ行くの?」
その言葉に私は
「長期の休みがあるときに行こうと思う。」
そう答えた。
「わかった。じゃあ父さんと母さんに言わなきゃね。」
と微笑むシオンに私は微笑み返した。
その後は滑り台やブランコでいっぱい遊んだ私達は家に帰ったあと、疲れたのかソファーで二人寄り添うように寝るのでした。
シオンside
あの話を聞いてからありさは元気がない。
食欲もないみたいでどうしたら元気になってくれるか考えていた。
そんなとき、小学生の時一緒に公園で遊んだことを思い出した。
そしてとっさにこれだ!と思い、すぐに母さんに弁当作ってくれないか交渉した。
すると母さんはノリノリで承諾してくれて、鼻歌を歌いながら弁当を作ってくれた。
それからありさを公園に誘い、一緒に弁当を食べた。
弁当を食べてる間も退屈させないように他愛もない話でありさを笑顔にさせた。
そのおかげか、違う場所で食べたおかげか、弁当を完食してくれた。
そしてありさから祖父母に会いに行くと聞かされた。
俺もそのほうが良いと思っていたから、良い決断してくれて安心した。
ありさが決めたことだから、俺は応援するよ。
そのあとは久しぶりに滑り台やブランコで子供のように遊んで疲れ果ててしまった。
家に帰ったあとソファーで眠ってしまったありさを抱き寄せ、俺もそのまま眠りについた。
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