本当の姉弟じゃない!?
ある日、両親から話があると呼び出された。
両親は真剣な顔で少しの間黙っていたが、少しして話を切り出した。
「2人に大事な話がある。実は・・・ありさは養子なんだ。」
それを聞いた2人は驚いて暫く固まってしまった。
そして話を切り出したのはシオンだった。
「それって・・・ありさと僕は本当の姉弟じゃないの?」
「あぁ。そうだ。」
そう言ったあと両親は養子のありさを引き取った経緯を話してくれた。
「ありさの両親は俺たちの親友の子供なんだ。ありさが産まれて少しして交通事故に遭って、親友は亡くなってしまったが、母親がありさを守るように抱いていたおかげで、奇跡的にありさだけ生き残れたんだ。それで俺たちがありさを引き取ったんだ。」
それを聞いたありさがぽつりと
「そう・・・だったんだ・・・。」
と口にした。
「お前たちには衝撃的な話かもしれないが、どうしても今日話さなきゃいけなくなってしまったんだ。」
「話さなくちゃいけなくなった理由ってなんなの?」
シオンからの質問に両親は
「実はな、ありさの両親の親・・・ありさから見たら祖父母にあたる人からありさに会わせて欲しいと連絡があってな。一応ありさに聞いてからってことで保留にしているんだ。」
それを聞いたありさが
「少し考える時間がほしい。突然すぎて頭が混乱してるから頭を冷やす時間をちょうだい。」
無理もない。産まれた時からの親だと思ってた両親が実は違ったなんて、簡単に受け入れられるはずがない。そう思った両親はありさに優しく
「時間はたくさんある。ゆっくり考えなさい。」
と微笑んだ。
それを聞いたありさは「わかった。」と一言残し部屋へ戻っていきました。
シオンもまたなにか考え事をしているような表情をしていましたが、すぐに
「じゃあ、僕も部屋に戻るね」
と両親に伝えて部屋に戻っていきました。
シオンside
両親から話を聞いて部屋に戻ったあと、僕は不謹慎にもとても嬉しい気持ちになった。
ありさと血が繋がっていないということは、ありさと恋愛が出来るし結婚も出来るということだ。
こんな奇跡・・・ありえるのか?
ありさはどう思ってるかわからないけど、僕は物心ついた時からありさ一筋でいたけど、血が繋がっているからと、可愛い弟を演じてきた。
だけど、血が繋がっていないと分かれば可愛い弟を演じる必要が無くなる。
でも急に変わると心配されるから徐々に変えていこう。
ありさには悪いけど、僕・・・・俺も本気でありさにアタックしようと思います。
覚悟しててね・・・ありさ。
その夜、ありさは部屋で両親から聞いた話について考えていた。
突然わたしが養子だなんて言われても信じられない。
それに今さらわたしに会いたいだなんて・・・。
でも本当の両親のことも知りたいし・・・。
どうしよう・・・・。
コンコン
「ありさ・・・今大丈夫?」
ノックとともにシオンが部屋に入ってきました。
「シオン・・・わたしどうすればいいかな?頭が混乱してどうすればいいかわからないよ。」
それを聞いたシオンは
「それは僕が決めることじゃない。ありさ自身で決めることだ。ありさが会いたいと思ったら会いに行けばいいし、会いたくないと思ったら無理して会わなくていいんだから。」
「そうだよね・・・・」
「それに父さんも言ってたように、時間は沢山あるんだから、今すぐ決める必要なんてないよ。」
その言葉を聞いたありさは顔を伏せながら
「うん。ありがとう。」
と一言言って寝てしまいました。
「良い決断がありますように」
シオンはそう言って頭にキスとして部屋を出ていきました。
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