シスコンな弟が溺愛すぎて困ります!

鳴神 祈

ありさとシオン

「あ・・・さ・・・あり・・・お・・・て・・・」

「ぅんん・・・・」

「ありさ起きて」

そんな声が聞こえ目を覚ます。


「ありさ、おはよう」

私の目の前にドアップのシオン。

金髪でぱっちり二重。そして整った顔立ちしてるからイケメンと呼ばれる部類に入ると思う。

「わっ!びっくりした!!おはよ」

毎朝ビックリさせてくるせいで寝起き最悪・・・。

「今日もありさは可愛いなぁ・・・抱きついていい?」

「ダメっ!起きなきゃ学校遅刻しちゃう!」

「許可なくても抱きつくけどねぇ~」

そう言ってシオンは私に抱きつこうとしてきた。

ドスッ!と、鈍い音と共にシオンが倒れる。

私はとっさにシオンを殴り、ムクリと起き上がる。


そう、ここまでがテンプレ。

毎朝行われるモーニングルーティーンなのだ。

なぜかシオンは部屋に勝手に入り、寝起きの私に毎朝抱きつこうとする。

とても迷惑である。


「もう、痛いじゃないか。でもそんな怒ってるありさも可愛いなぁ・・・。」

「殴られて頭おかしくなった?ほら、支度するから部屋から出てね~」

そう言ってシオンの背中を押して部屋から無理やり出した。

「じゃあ、下で待ってるね~。早く来てよ~?」

そんな声は無視して急いで支度する。


小さい時から私の後ろにべったりだったシオン。

そんなシオンも高校1年生。

高校生になったら落ち着くかと思ったのが大間違い。

シスコン度が増して更にべったりになったのだ。


「おまたせ!ほら!学校行くよ!」

「その前に朝ごはん食べなきゃ!栄養つかないよ?」

「誰かさんのせいで遅刻しそうなの!ほら!置いてくよ?」


そう言って私はそそくさと玄関で靴を履く。

「お母さん、行ってきまーす!」

「待ってよ!僕を置いていかないで~!!」

そう言ってシオンが追いかけてくる。

そんな2人を微笑みながら

「行ってらっしゃい!気をつけるのよ」

と声をかけてくれるお母さん。



これが私たちの毎日のルーティーンである。

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